研究課題/領域番号 |
19H03213
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
日下部 岳広 甲南大学, 理工学部, 教授 (40280862)
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研究分担者 |
鈴木 穣 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40323646)
中井 謙太 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60217643)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | ホヤ / メダカ / 頭部 / 脳 / 感覚器 / プラコード / グリア / 進化 / 網膜 / 中枢神経系 / 脊索動物 |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎動物は頭部に高度に発達した脳と感覚器をもち、これらのはたらきが地球上のさまざまな環境に適応した脊椎動物の繁栄を支えている。脳は胚の神経板から生じ、感覚器は脳とその周縁部の組織(プラコード)の相互作用によって作られる。脊椎動物に近縁なホヤ類の幼生は、微小だが脊椎動物と相同な脳とプラコードをもつ。本研究では、研究代表者らが明らかにしたホヤと脊椎動物の間の器官相同性をもとに、これらの器官に関わるトランスクリプトーム、遺伝子制御ネットワーク、ゲノムの構造と機能の特性の比較解析を行い、脊椎動物の高度に発達した脳と感覚器の出現を可能にした背景と進化プロセスを解明する。
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研究成果の概要 |
脊椎動物に近縁なホヤ類の幼生は、微小だが脊椎動物と相同な脳と感覚器原基をもつ。本研究では、ホヤの脳や感覚器の原型組織の発生と機能に関わるゲノム機能発現制御プログラムを脊椎動物の器官と比較し、脊椎動物の発達した頭部の出現を可能にした背景と進化プロセスにせまった。ホヤにおいて受精からドーパミン神経、感覚神経、運動神経など主要な神経の細胞分化に至る過程および機構を単一細胞レベルで明らかにし、脊椎動物との共通性と違いを明らかにした。さらに、グリア細胞の運動に伴う活動、初期運動リズムを形成する機構の発見、脳形成に重要な役割をもつ中軸構造の発生機構の普遍性とその進化的起源を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脊椎動物に近縁なホヤ類の幼生は、微小だが脊椎動物と相同な中枢神経系(脳、脊髄)と感覚器をもつ。本研究では、ホヤと脊椎動物の間で中枢神経系や感覚器の発生過程と遺伝子発現の比較解析を行い、脊椎動物の発達した頭部が進化した背景を探った。ホヤの特徴を生かして、受精卵からドーパミン神経、感覚神経、運動神経回路などができる過程を明らかにし、脊椎動物との発生機構の共通性を見出すとともに、新たな現象を見出した。本研究の成果は、脊椎動物の発達した頭部の起源や成り立ち、脳機能の形成と制御機構を解明するための足がかりになると期待される。
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