研究課題/領域番号 |
19H03215
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43060:システムゲノム科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
イン ベイウェン 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (90422401)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ゲノム縮小 / 実験進化 / 増殖速度 / 遺伝子発現 / 周期性 / 細胞増殖 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はゲノム縮小と増殖速度の関係を遺伝子発現のゲノム周期性の観点から説明する。ゲノム縮小が遺伝子発現のゲノム周期のずれを生み、増殖速度の低下に繋ぐことを検証する。増殖速度が回復するとずれていた周期が元に戻るのかを明らかにする。つまり、ゲノム縮小による増殖速度の低下と実験進化による増殖速度の回復のメカニズムを遺伝子発現量のゲノム周期性で説明する。この遺伝子発現量の周期が遺伝子適応度の周期と同調することを検証する。具体的には、①トランスクリプトーム解析によりゲノム縮小による周期のずれ、②実験進化による増殖の回復に伴う周期の回復、③遺伝子ごとの増殖への寄与度のゲノム周期性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究は、大腸菌を対象に、ゲノム縮小と増殖速度の相関関係を遺伝子発現のゲノム周期性で説明することを目的とした。そのため、大腸菌増殖の網羅的計測、実験進化、ゲノム変異と遺伝子発現解析を行った。その結果、ゲノム縮小により、遺伝子発現のゲノム周期数が保たれており、周期の振幅や位相が元(野生型)からずれることを発見した。そのずれが増殖速度の低下に繋がっている。実験進化によって、ゲノム縮小株の増殖速度が回復され、遺伝子発現のゲノム周期も相関して戻ることを明らかにした。つまり、増殖速度は個別の発現制御だけで決められるのではなく、トランスクリプトームの周期的秩序によって決まっている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでは膨大な実験と解析からゲノムワイドな情報を得たにもかかわらず、個別の分子機能に注目してしまい、ゲノムやシステム全体を表す特定の法則やパターンの抽出が困難であった。本研究はゲノム縮小と増殖速度を定量的に結びつけ、遺伝子発現のゲノム周期性に着目することにより、遺伝情報の全体をカバーするゲノムと生命動態の指標である増殖を繋いだ。システムゲノム科学に新奇的な視点を与えた。
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