研究課題/領域番号 |
19H03226
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
久下 理 九州大学, 理学研究院, 教授 (30177977)
|
研究分担者 |
宮田 暖 九州大学, 理学研究院, 助教 (10529093)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
|
キーワード | リン脂質 / 細胞内輸送 / 代謝調節 / ミトコンドリア / 小胞体 |
研究開始時の研究の概要 |
ミトコンドリアは、細胞内のエネルギー(ATP)の大半を作る発電所であり、その機能障害が様々な疾患発症の原因となっている。ミトコンドリアの機能維持には、ミトコンドリアを囲む生体膜の主要構成成分であるリン脂質、カルジオリピンとホスファチジルエタノールアミンがミトコンドリア内で正常に合成される必要がある。本研究では、これらリン脂質のミトコンドリア内合成に必要な生体内反応と生理機能の解明を試みる。
|
研究成果の概要 |
ミトコンドリアは、その機能の損傷が様々な疾患の原因となる細胞内の構造物の一つであり、その形成と機能維持機構の解明は現代細胞生物学の最も重要な研究課題の一つである。本研究では、ミトコンドリアの構成成分の一つであるリン脂質、ホスファチジルエタノールアミン(PE)の代謝調節と機能の解明を試みた。その結果、ミトコンドリアと小胞体の両者に局在し、PEを合成するホスファチジルセリン脱炭酸酵素の局在と活性制御機構を明らかにした。さらに、この酵素によるPE合成がある種のタンパク質リン酸化酵素を負に制御しており、その制御が破綻するとミトコンドリアにおけるATP合成や細胞周期に異常が起こることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ホスファチジルセリン脱炭酸酵素は、従来、ミトコンドリアにのみ存在するものと考えられていたが、最近その極一部が小胞体にも存在することが明らかにされた酵素である。従って、本研究によるこの少量の小胞体型酵素の重要性と局在制御機構の解明は、酵素の細胞内局在と分布の再検討の必要性という観点から、細胞生物学に大きな影響を与えるものである。また、ミトコンドリアPEが細胞周期制御において重要な役割を持つことが本研究により明らかにされたことから、癌など細胞周期が異常となった細胞におけるPE代謝の研究が、医療・医薬品開発に重要であることが再認識された。
|