研究課題/領域番号 |
19H03227
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
池ノ内 順一 九州大学, 理学研究院, 教授 (10500051)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | スフィンゴミエリン / アピカル膜 / 上皮細胞 / 微絨毛 / mTORC2シグナル / Rab35 / 低浸透圧ストレス / 細胞死 / mTOR / 細胞間接着 / 極性輸送 / 細胞間接着装置 / コレステロール / タイトジャンクション / 細胞膜 / クローディン / αカテニン / バリア機能 |
研究開始時の研究の概要 |
上皮細胞には、外界からの栄養吸収を担う細胞膜構造である微絨毛や上皮細胞同士の結合や情報伝達の場として機能する細胞接着装置などの細胞膜構造が存在する。申請者はこれらの膜構造形成において、膜タンパク質の集合・離散の制御にスフィンゴミエリンやコレステロールなどの脂質が重要な役割を果たしていることをこれまでの研究で明らかにした。本研究提案では、上皮細胞における細胞膜構造形成を可能にする細胞内でのスフィンゴミエリンやコレステロールの機能やこれらの脂質の細胞内輸送・局在化の分子機構の解明を通して細胞膜構造の構築メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、上皮細胞の細胞膜構造形成に関わる脂質、スフィンゴミエリンの細胞内輸送を制御する分子機構の解明に関する内容である。スフィンゴミエリンに特異的に結合するシマミミズ由来タンパク質であるLyseninを改変して、アピカル膜へのスフィンゴミエリンの輸送過程を可視化するためのプローブを作出した。このプローブを安定発現する細胞に対して、阻害剤ライブラリーのスクリーニングを行った結果、mTORC2経路がスフィンゴミエリンの細胞内輸送過程を制御することを見出した。さらにmTORC2経路の下流において低分子量Gタンパク質Rab35が活性化し、スフィンゴミエリンの輸送を促進することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
mTORC2シグナル伝達経路は、細胞の増殖や細胞の運動に関わるシグナル伝達経路で、最近では、がん細胞の悪性化との関連が示唆されています。本研究によって、mTORC2シグナル伝達経路は、細胞膜脂質のスフィンゴミエリンの輸送を制御するという新たな役割を担っていることが明らかになりました。この発見は、上皮細胞に由来する様々な疾患に対する新たな治療法を開発する上で基礎となる知見です。
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