研究課題/領域番号 |
19H03229
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
木梨 達雄 関西医科大学, 医学部, 教授 (30202039)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 細胞接着 / インテグリン / Rap1 / talin / kindlin3 / cell adhesion / integrins |
研究開始時の研究の概要 |
インテグリンは細胞外環境に応じて細胞接着を動的に制御し細胞移動や増殖等に重要な影響を与えている。しかし、従来の研究手法では動的な調節機構の解明に限界があり、いまだその制御には至っていない。私たちはこれまで世界に先駆けてRap1シグナルがインテグリン接着を制御していることを明らかにしてきた。本研究では個々の細胞内分子的挙動を追跡できる一分子計測の手法を用いて、Rap1シグナルによるインテグリン制御の動的調節を解明し、免疫や癌浸潤・転移への効果を明らかにする。本研究の創造性は一分子レベルでインテグリン接着制御の全貌を解明し、制御法の開発へつなげるもので新たな領域を開拓するものとして期待される。
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研究成果の概要 |
細胞接着分子インテグリンは細胞接着・移動・集積、増殖等に重要な影響を与えています。本研究では白血球インテグリンLFA1とICAM1による接着を制御するインテグリン結合分子talin1およびkindlin-3の一分子計測法を開発しました。それによって(1)talin1とLFA1の結合動態がLFA1とICAM1の結合動態と一致すること、(2)kindlin3はLFA1の構造が進展・開型(高親和性)に変化するときに必要であること、(3)ICAM1に結合して進展・開型LFA1になるとRap1が活性化し、talin1, kindlin3がさらに動員され接着が増強されることを明らかにしました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リンパ球は全身を循環しながら生体防御を行っています。その過程で、LFA1はICAM1という接着分子に結合しますが、その結合の強さを変化させることによって、リンパ球の停止や移動を調節します。この調節過程にはインテグリン結合分子talin1とkindlin-3が関与すると考えられていますが詳細は不明でした。本研究では、一分子計測法という新たな測定方法を用いて、talin1とkindlin-3およびその調節分子であるRap1との連携による作用機序を明らかにしました。この成果はインテグリンの接着を変化させることにつながり、白血球の異常な集積を伴う免疫疾患の新たな治療戦略に役立つと考えられます。
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