研究課題/領域番号 |
19H03230
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小椋 俊彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (70371028)
|
研究分担者 |
山本 条太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (20585088)
岡田 知子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 総括研究主幹 (30344146)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
|
キーワード | 窒化シリコン薄膜 / 走査電子顕微鏡 / 誘電率 / 液中観察 / 培養細胞 / 細胞内小器官 / 走査電子誘電率顕微鏡 / 画像処理 / 3次元構造解析 / オートファジー / 走査電子 / 3次元観察 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞は、核や小胞体、ゴルジ体等の様々な細胞内小器官が相互に関連し連携することで生命活動を維持し様々な機能を発現している。本研究では、これまで観察が極めて困難であった生きた無処理の細胞内小器官を高分解能でかつその3次元構造をそのまま観察する新たな誘電率顕微鏡の開発を目指す。我々はこれまで電子線を用いた世界初の走査電子誘電率顕微鏡の開発を進めてきた。本提案では、この誘電率顕微鏡を大幅に高機能化し、さらに3次元構造を解析できる新たなシステムを開発する。加えて、本提案により開発した3次元観察システムを用いて、膜タンパク質複合体やオートファジ―等に関連する細胞内小器官の3次元構造変化を詳細に分析する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、走査電子誘電率顕微鏡の高機能化を行った。具体的には、高感度・低ノイズの初段アンプの開発と10 nm厚のSiN膜による高分解能観察ホルダを開発した。窒化シリコン薄膜を10nm厚にすることで空間分解能が4.5 nmまで向上し、細胞構造や有機材料等の構造をより詳細に観察することが可能となった。本システムを用いる事で、マウス乳がん細胞やメラニン色素細胞、口腔内上皮細胞等の様々な細胞のナノレベルでの直接観察を可能とした。さらに、観察された画像から、細胞内膜等の細胞内小器官の動作機構を解析する事に成功した。これに加えて最新の画像情報処理技術を用いる事で、細胞内小胞等の自動解析技術を開発した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、高機能な走査電子誘電率顕微鏡を開発した。本システムを用いる事で、培養細胞の内部構造をナノレベルの分解能で生きたまま直接観察する事が可能となった。これにより、細胞内小器官のより詳細な解析が進展する事が予想される。さらに、培養細胞だけでなく、バクテリアやタンパク質複合体等の様々な生物試料の溶液中での直接観察と分析を可能とする。これ以外にも溶液中の有機材料やナノ粒子、食品や化粧品、石油化学製品、燃料電池や2次電池材料等の様々な分野においても活用が期待され、学術的にも産業的にも極めて大きな意義があるものと考えられる。
|