研究課題/領域番号 |
19H03231
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松居 靖久 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40241575)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 卵母細胞 / 代謝 / エピゲノム / MPC / TCA回路 / 生殖細胞 / エネルギー代謝 / ピルビン酸 / 転写 / 解糖系 |
研究開始時の研究の概要 |
胎仔生殖細胞の卵母細胞への分化・成熟に伴う亢進したミトコンドリア代謝、および解糖系活性の変化の役割と制御機構を明らかにすることを目的とする。胎仔生殖細胞から卵母細胞への分化を再現できる胎仔卵巣の器官培養系で、着目する特定の代謝経路の阻害剤の効果を調べ、重要な代謝段階を絞り込み、遺伝子発現解析により代謝経路の下流で卵母細胞分化に関わる遺伝子候補を選択する。それらの遺伝子、および関与する代謝酵素遺伝子とその転写制御因子遺伝子の条件的ノックアウトをマウス個体で行い、卵母細胞形成における役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究ではエネルギー代謝経路の、マウス胎仔卵巣内の卵母細胞の発達における役割を解明することを目的とした。そしてミトコンドリアへのピルビン酸取込に働くMPC2タンパク質と、その下流のTCAサイクルの代謝物の中でエピゲノム制御に必要なα-ケトグルタル酸、さらにその制御下にあると考えられた、卵胞発達に重要な増殖因子であるGDF9が、初期段階の卵胞発達に重要であることを明らかにした。さらに遺伝子発現と、それを促進するヒストンH4のアセチル化が、MPC2の制御下にあると考えられる遺伝子候補の中に、卵胞形成に働くことが知られている転写因子遺伝子のNoboxが含まれることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、ミトコンドリア代謝がエピジェネティック制御を介して、卵胞形成に重要な役割を果たす分子機構の一端が、初めて明らかになり、代謝-エピゲノム制御軸による卵子形成制御の新たなしくみを示した。この研究成果は、卵胞形成不全等の疾患の原因の1つとして、ミトコンドリア代謝を介したエピジェネティック異常が関与する可能性を示唆し、今後、Mpc2遺伝子変異の有無による不妊リスクの評価などの発展が期待できる。
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