研究課題/領域番号 |
19H03248
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
中島 敬二 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80273853)
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研究分担者 |
宮島 俊介 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (20727169)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 根冠 / 細胞剥離 / シロイヌナズナ / 根 / 周期性 / オルガネラ / 細胞分分化 / 細胞分化 / 根圏 |
研究開始時の研究の概要 |
植物の根の先端にはキャップ型の形状を持つ根冠組織がはまっている。根冠は目立たない組織であるが、根端部に存在する分裂組織の物理的保護や、重力方向の感受、代謝産物の分泌や細胞剥離を通じた土壌微生物と相互作用を通じ、根のみならず植物全体の成長や生産性を左右する重要な役割を担っている。しかし根冠がこれらの独特の機能を発揮するために働く遺伝子や、その統御メカニズムはほとんど分かっていない。本研究課題では、これまでの研究で培った根冠分化に関する科学的知見や変異体などの生物リソースに、独自の顕微鏡ライブイメージング技術を融合させ、根の成長を最適化する根冠機能の発現機構を遺伝子レベルで明らかにする。
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研究成果の概要 |
根の成長における根冠組織の機能とその発現機構の解明に取り組んだ。まず重力に従って下向きに成長する根の先端を自動的に追尾できる顕微鏡システムを構築した。これを用いた観察により、根冠の外側の細胞層で位置に応じた細胞内構造の転換が迅速に進行していることが見出された。また根冠の最外層で活性化するオートファジーが、細胞内構造の再編成と細胞の剥離に寄与していることを見出した。さらに根冠の最外層でグルコシノレートの生合成酵素や抗菌物質への転換を担う酵素の遺伝子群が発現し、これらの機能が根全体の病原性糸状菌のへの抵抗性に重要な役割を果たすことを示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
根冠は成長する根の最前線に位置する組織であり、根端の分裂組織を保護するほか、重力感受や代謝産物の分泌を介したミネラル吸収の促進、土壌微生物による病害への抵抗性など、植物の成長や生産力の維持に重要な役割を果たしている。根冠細胞の機能転換や細胞剥離を制御する仕組みの一端を解明した本研究成果は、植物の生産力の向上や土壌環境の改善につながる社会的意義を持つ。
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