研究課題/領域番号 |
19H03257
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
木村 圭志 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50332268)
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研究分担者 |
広田 亨 公益財団法人がん研究会, がん研究所 実験病理部, 部長 (50421368)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 核小体 / 染色体 / 細胞分裂期 / RNA / 細胞周期 |
研究開始時の研究の概要 |
核小体は核内最大の構造体である。申請者は、間期細胞に種々のストレスを与えることで喚起される核小体の構造変化とその構成分子の局在変化(=核小体ダイナミクス)が、多様な生命現象に関与することを見出した。一方、細胞分裂期(M期)には、細胞分裂に伴う核小体の構造変化により、その構成分子の大部分が局在を変化させるが、同現象の細胞生物学的な意義は不明である。そこで本計画では、M期における生理的条件下での核小体ダイナミクスが、細胞分裂といかに関わり、またその過程を制御するのかを明らかにすることを学術的問いとする。さらに、ストレスによる間期核小体ダイナミクスが、M期に及ぼす影響を解明する。
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研究成果の概要 |
「核小体タンパク質のM期での機能の解明」に関して、NOL11がWDR43, Cirhinと、NWC複合体を形成し、NWC複合体がAurora Bのセントロメアへの局在を促進することにより、セントロメア機能を制御することを見出した。また、128種類のrRNAプロセシング因子をノックダウン(KD)し、複数の因子のKDがM期に影響を及ぼすことを見出した。「核小体RNAのM期での役割」に関して、RNA除去がコンデンシンIなどのM期染色体骨格タンパク質の局在にも影響を与えることを見出した。さらに、染色体に局在するRNAとコンデンシンIの液-液相分離が、コンデンシンIの染色体局在に寄与することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
核小体は、多種類のRNAとタンパク質から構成される核内の最大の構造体で、古典的なリボソーム生合成の場としての役割以外に多岐な細胞機能に関与することが提唱されている。 本研究では、核小体に存在する新規のタンパク質複合体が分裂期染色体の表面に局在し、細胞分裂の鍵分子であるAurora Bのセントロメアへの濃縮を介して、正確な分裂期染色体の分配を保証することを明らかにした。これらの過程に破綻が生じると、がんの悪性化で観察される染色体不安定性の増大を引き起す。従って本研究は、核小体と細胞分裂とのリンクの分子レベルでの理解につながるとともに、がんの進展のメカニズムに関する手掛かりにもなり得る。
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