研究課題
基盤研究(B)
植物の強力な再分化能力を制御する遺伝子プライミング現象を発見し、その制御因子であるヒストン脱メチル化酵素LDL3を同定した(Nature Communications 2019)。シュート再生前のカルスの段階で、プライミング遺伝子群が転写スタンバイになりシュート形成時に一気に遺伝子発現がONになる。TOMEIを基盤としたディープイメージングや遺伝子座特異的クロマチン可視化技術を用いて、多細胞塊のカルスを研究材料にして解析する。この解析により従来の研究枠組みを突破し、組織内の細胞運命転換という形態形成の根本メカニズムを裏打ちするクロマチン構造変換の実態を明らかにする。
植物は再分化する時、遺伝子の発現を待機状態にする現象・エピジェネティクス・プライミングの分子メカニズムを明らかにすることができた。このエピジェネティクス・プライミングは、ヒストン脱メチル化酵素LYSINE-SPECIFIC DEMETHYLASE 1-LIKE 3(LDL3)により制御されることを明らかにした(Nature Commun., 2019)。また、RNAポリメラーゼ酵素(RNAPII)がリン酸化されて活性化することをライブイメージング解析する方法を開発した(Commun. Biol., 2021)。その結果、カルスの茎頂分裂組織において、RNAPIIが活性化することを検証できた。
植物は切断しても器官を新たに再生できる非常に強力な再生能力を持つ。この再生能力のメカニズムは、将来、器官再生するために、あらかじめ遺伝子の発現のスイッチをONにする手前の待機状態にしていることがわかった。この待機状態の解明により、植物の強靭な再生力のメカニズムの一端が明らかになり、植物の生きざまの理解を促進した学術的意義がある。また、遺伝子の転写がONになった時を知るライブイメージング解析技術や、器官や組織のディープイメージングを可能にする透明化手法を開発することで、植物科学の研究推進することに貢献する技術開発を行った。同時に、これらの技術は、農作物の品種改良などの社会的貢献も期待される。
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