研究課題/領域番号 |
19H03262
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
笹倉 靖徳 筑波大学, 生命環境系, 教授 (10400649)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 変態 / ホヤ / 神経 / GABA / GnRH / Gタンパク質 / cAMP / 進化 / Gs / Gq / Gi / DAG / ホルモン / 二次メッセンジャー / 甲状腺ホルモン / Gプロテイン / D-セリン / 内柱 / Hox |
研究開始時の研究の概要 |
動物は受精・発生の後、幼生や幼虫と呼ばれる生殖能力を持たない一過的な状態になり、生育する。続いて動物はその幼体から成体へと、体の形や機能を大きく変化させて、生殖能力を持った完全な個体になる。変態はその有名な例であるが、ヒトにおいても第二次性徴のような変化を経て大人になることから考えても、二段階の発生・成長プロセスを経て成体になることは動物一般の基本原理である。我々はホヤの変態に必要な因子が、ヒトの第二次性徴と同じであることを突き止めた。ホヤにおけるそれらの因子が変態を制御する仕組みを調べることで、動物が大人になる統一原理を突き止めることが本研究の計画である。
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研究成果の概要 |
本研究ではホヤの変態を制御する神経伝達物質及びホルモンの機能を解明し、ホヤの多彩な変態イベントが統合的に制御される仕組みの理解を目指した。神経伝達物質GABAが駆動するGタンパク質シグナル経路を同定し、複雑な経路を経てcAMPの上昇を介して変態が開始されること、固着刺激を受容するメカニズムとTRPチャネルの関与、cAMP経路の下流で働くペプチドホルモンとD-セリンシグナルにより尾部吸収が駆動されること、甲状腺ホルモン合成の酵素は甲状腺以外の領域でも機能し変態中の細胞増殖を促進すること、Hox遺伝子群の成体器官構築への機能等、様々な分子機構が本研究から解明された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変態は一般の方にも目に付く極めて有名な生物現象であり、またその不思議さ故に生命への興味を惹起しやすいため、この現象の原理を深く解明することは、生物学や科学への興味を深める基盤となる。また、新しい機能を持ったタンパク質の発見や神経系での複雑な分子調節機構は、神経生物学や細胞工学の発展に繋がる。固着により開始されるホヤの変態の特殊性からは、付着動物一般の付着機構の解明と共に、新しい防除策の構築に繋がる。
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