研究課題/領域番号 |
19H03266
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 名古屋大学 (2020-2022) 慶應義塾大学 (2019) |
研究代表者 |
羽鳥 恵 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任准教授 (90590472)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 概日時計 / 光応答 / 環境応答 / 非視覚応答 / メラノプシン / 概日リズム / 光受容 / 霊長類 / 網膜 |
研究開始時の研究の概要 |
目に存在する光受容細胞は桿体・錐体だけではない。網膜神経節に存在する一部の細胞は光受容タンパク質であるメラノプシンを発現し、概日時計の光応答や瞳孔収縮などの視覚以外の光応答、すなわち非視覚応答を引き起こす。メラノプシンを最も感度よく活性化させるのはブルーライトである。これまでの基礎研究は主に、夜行性であるマウスを用いて行われてきた。地球上にはヒトをはじめとする昼行性動物も存在し、光の効果は両者で大きく異なる。そこで、ヒトの健康へ研究を応用することを見据え、昼行性霊長類も用いてメラノプシンの機能理解に挑む。
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研究成果の概要 |
約一日周期で自律的に発振する体内時計である概日時計は、その名が示す通り正確に24時間ではなく24時間前後を周期としており、恒常条件下では日々のずれが生じる。そこで、光などの外界からの刺激を利用して時刻合わせを行う。時刻調節には、青色波長光を最も感度良く感じるGタンパク質共役型受容体メラノプシンが重要である。遺伝子破壊マウスを用いた研究は進んだものの、夜行性のマウスだけではなく昼行性生物などでの理解も乗り越えるべき壁である。今回、新規化合物開発に挑戦し、阻害効果がより強い阻害剤群や応答速度を変化させる化合物群など様々な特性を持つ化合物を新規に得ることに成功した。また、新規機能を発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メラノプシンに作用する低分子化合物の開発に取り組み、阻害剤オプシナマイドを世界で初めて、そして現時点で唯一、報告した。今回新たに取り組んでいる新規化合物群とあわせ、薬理学的な調節は確立されたモデル動物以外でのメラノプシンの機能理解という目的においても強力であり、メラノプシンの新規機能発見につなげることが可能である。夜寝る直前のスマートフォン使用などで問題とされるブルーライト障害にメラノプシン関わっている。化合物は片頭痛や鬱などメラノプシン関連疾患の改善薬としてのポテンシャルも持ち、学術的だけではなく広く社会に意義を持つ。
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