研究課題/領域番号 |
19H03274
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神川 龍馬 京都大学, 農学研究科, 准教授 (40627634)
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研究分担者 |
原田 二朗 久留米大学, 医学部, 講師 (10373094)
宮下 英明 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (50323746)
谷藤 吾朗 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (70438480)
中山 卓郎 筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (70583508)
高市 眞一 東京農業大学, 生命科学部, 教授 (40150734)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | フコキサンチン / 珪藻 / ゲノム / トランスクリプトーム / 葉緑体 / 珪藻類 / カロテノイド / 従属栄養性藻類 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋の多くの藻類が有するフコキサンチンと呼ばれる光合成補助物質は、その光合成における重要性に加え、ヒトの健康への維持に有用であることが知られている。しかし、藻類細胞内でどのように合成されているのか、詳細は分かっていなかった。フコキサンチンの合成経路を同定することを目的とした本申請研究は、進化学研究・光合成研究・生態学・地球化学分野への直接的な学術的重要性のみならず、健康増進物質を安価かつ大量に人工合成する手法の開発を可能とする社会的な波及効果が極めて大きい研究である。
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研究実績の概要 |
さらにフコキサンチン合成に関与する候補遺伝子推定を進めるため、フコキサンチン合成藻類種(モデル珪藻Phaeodactylumおよび珪藻Nitzschia closterium)をATCC 1525培地での培養実験を行った。両珪藻において細胞増殖が観察され、また継代培養が1年間可能であった。しかし、両珪藻細胞の顕微鏡観察とHPLC解析では、クロロフィル類やカロテノイド類の光合成色素量の低下が顕著であり、フコキサンチン合成関連遺伝子の発現量も低下していると推定された。そこで通常の培地で培養した細胞とATCC 1525培地で培養した細胞の比較トランスクリプトームデータを解析した。その結果、モデル珪藻Phaeodactylumでは700以上の転写産物が、そして珪藻N. closteriumでは1300以上の転写産物がATCC 1525培地での培養で発現低下が有意であった。すなわち、光合成色素量の減少した細胞で発現抑制されていた。一方で、Phaeodactylumでは1400以上もの転写産物が、そしてN. closteriumでは2000以上の転写産物がATCC 1525培地で発現増加が有意であり、これらは光合成色素量の低下により光合成活性が低下した際にも細胞増殖を補助するための遺伝子群が含まれていると考えられる。現在、発現変動が有意であった遺伝子がコードするタンパク質の機能の詳細、局在、関与する代謝経路を確認している。 これまでに同定されているフコキサンチン合成関連遺伝子における5つのパラログについて、遺伝子導入株の作出を行った。現在、それぞれの遺伝子転写産物量をqPCRによって定量を進めている。候補遺伝子のノックダウン効果の特異性に疑義が生じたため、別途、5つのパラログの発現抑制用のベクターを作成中であり、これは来期に予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ここまでで予定通り候補遺伝子の絞り込みと遺伝子導入を終了させており、また、新たな培養系と比較トランスクリプトーム解析で別の候補遺伝子の探索にも着手できている。遺伝子導入に加えて、ノックダウンの再検証用の遺伝子発現抑制用のベクターも作成できつつあり、本遺伝子の機能解明に向けて着実に進められている。これまでにゲノム解読が完了した従属栄養性珪藻とは別系統の種のゲノム解読に向けたアッセンブル法について、複数のプログラムの比較からどの手法で構築されたゲノム配列を用いるかの方針を決定できた。
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今後の研究の推進方策 |
高発現変異体と発現抑制変異体の解析から、候補配列の生理学的機能解析を進める。さらに候補配列を増やすため、色素組成が変動する培養条件を探索し比較トランスクリプトーム解析データの精査を行う。また、情報解析のベースをさらに整備するため別系統の従属栄養性珪藻ゲノム配列の遺伝子同定を行う。
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