研究課題/領域番号 |
19H03276
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
高橋 文 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (90370121)
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研究分担者 |
上村 佳孝 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 准教授 (50366952)
野澤 昌文 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (50623534)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2019年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 種分化 / 交尾器 / 外部生殖器 / ショウジョウバエ / 遺伝子マッピング / ゲノムシークエンス / 生殖的隔離 / 産卵 / 生殖器 |
研究開始時の研究の概要 |
環境への適応が引き金となって種が多様化するという考え方は、ダーウィンフィンチの例にあるように広く受け入れられている。しかし、環境へ適応するために進化した形質が生殖的隔離を直接引き起こした例は非常に少ない。これまでの研究により、多くの近縁種が成熟・発酵した果実に産卵する中で、未熟な固い果実に産卵するという新たな形質を獲得したオウトウショウジョウバエの産卵管の特異な形状が、同胞種との交尾の障壁になっていることがわかった。そこで本研究では、この産卵管や交尾の成功に影響する雄の交尾器の形態進化についてその遺伝的背景を明らかにし、生態学的種分化の過程で自然選択の標的となった遺伝的変異の実態を解明する。
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研究成果の概要 |
オウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii)は他の多くのショウジョウバエと異なり新鮮で硬い果実に産卵するため産卵管が長く伸長している。このような産卵管の形の進化は、産卵だけでなく交尾する時の雌雄交尾器の立体配置にも影響し、種間交尾の際に交尾器がかみ合わないことによって生じる生殖的隔離の要因となっている。このような生殖的隔離に関わる形態を詳しく調べ、ゲノムの中で構造的な変化が起きやすい遺伝領域がこのような形態進化に関与したことを明らかにした。更にどのような遺伝子の変化が原因であったかについて可能性が高い候補遺伝子が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、オウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii)とその近縁種D. subpulchrellaを使って、生物の種が分化していく際に種間での交配を妨げるような生殖器形態の進化が、ゲノム中の構造的な変化が激しい領域に起きる突然変異によって進んできたことが明らかとなった。この成果は、生物の進化を理解する上で、種が分化していく仕組みや昆虫などの動物で生殖器の形が速く進化していることの原因を探究していくために重要な情報となる。
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