研究課題/領域番号 |
19H03278
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉澤 和徳 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (10322843)
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研究分担者 |
山田 量崇 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (20463474)
塘 忠顕 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (80282250)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 半翅系昆虫 / 形態学 / マイクロCT / 高次系統 / 単系統性 / µCT / 準新翅類 / uCT / 形態 / 系統学 / 3次元構築 / チャタテムシ / シラミ / アザミウマ / 半翅類 / 系統 / 進化 / 次世代形態学 |
研究開始時の研究の概要 |
半翅系昆虫の系統関係の諸問題を,従来をはるかに上回る精度と量の形態データによって検証・解決し,吸汁式口器や特異的な交尾機構など,半翅系昆虫で見られる様々な新奇形質の進化プロセスの検討を行ことで,既知種だけでも12万種を超える本群の多様性をもたらした進化的背景を明らかにする.半翅系昆虫は完全変態昆虫の姉妹群であることから,本研究は昆虫最大の分類群である完全変態類の起源論にも大きな影響を及ぼす.さらに半翅系昆虫は,海域を含めたあらゆる環境へ進出し,極めて重要な農業害虫なども含まれるため,本研究の結果は,応用科学や環境科学への波及効果も大いに期待される.
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研究成果の概要 |
シンクロトロンuCTを用いた高解像度形態観察により,準新翅類(咀顎目,アザミウマ目,半翅目)と完全変態昆虫との系統関係の解析を行った.胸部筋肉相の解析から,準新翅類の単系統性が支持されること,ゲノム系統が支持するような咀顎目+完全変態昆虫の関係を支持するような形態情報が存在しないことを示した.また交尾器形質からの系統情報の探索および特異な交尾器形態の機能形態学的解析も行った.メス交尾器が咀顎目の高次系統に関する有用な情報を持つこと,ペニス状のメス交尾器進化には,構造の進化に先立ちそれを動かす筋肉の起源が生じていたことを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物の進化史の正確な理解は,全ての生物学の根幹を成す.特定の生物がなぜ害虫化したのかと言った問いにも,その生物の系統関係の理解が重要である.半翅系昆虫は,昆虫最大の多様性を誇る完全変態昆虫の姉妹群であり,完全変態昆虫の起源を明らかにする上でも最も重要な分類群である.形態的には,咀嚼式から吸汁式への口器の変革を始め多くの新奇形質が進化している,極めて稀な昆虫である.応用的にも,毎年数千億円と見積もられるような被害を出す農業害虫,衛生害虫を含む一方,生物農薬として利用される有用昆虫も含む重要な分類群と見なされている.したがって,その系統関係の解明は幅広い普及効果を持つ.
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