研究課題/領域番号 |
19H03284
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
遊佐 陽一 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (60355641)
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研究分担者 |
山口 幸 東京女子大学, 現代教養学部, 講師 (20709191)
關野 正志 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), グループ長 (90371799)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 性表現 / 雌雄同体 / フジツボ / 繁殖生態 / 性システム / 性配分 / フクロムシ |
研究開始時の研究の概要 |
フジツボ類における性システムの多様性とそれを決める要因について多角的にアプローチするために,4つのサブテーマを設定する。具体的には,1)性配分理論と生活史戦略理論を統合した理論を構築し,2)多くの種において生活史に沿った性システムの実態を明らかにし,3)いくつかのモデル種における性システムと環境要因との関係やメカニズムに関する実証研究を進め,4)種間比較によって性システムの進化およびその決定要因について明らかにする。
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研究実績の概要 |
動物界にみられる性システムは極めて多様であるが,ある環境下においてどのような性システムが進化するかについて,理論・実証研究ともに十分な答えを得ていない。本研究では,広義のフジツボ類の性システムの多様性を探るため,以下の4つのサブテーマで研究を推進した。 1.多種における性システムの解明:本年度は深海性ミョウガガイ類および浅海性のエボシガイ類を中心に採集を行い,性システムを引き続き調べた。うち深海性ミョウガガイ4種については多くの個体が得られたため,詳細な種内データを得た。 2.モデル種における種内変異の解析:雄性異体種であるハサミエボシについて,幼生飼育を試みた。ノープリウス幼生の飼育までは成功したが,その後のキプリス幼生を得られておらず,定着には至っていない。加えて,野外採集および室内飼育により,雌雄同体と雄の成長や性表現について調べた。また,根頭類フサフクロムシにおいて季節的な性比変動およびその前提となる生活史を野外調査で調べ,結果を論文で発表した。 3.種間比較による進化パターンとプロセスの抽出:性システムの進化過程とその決定要因を解明するためのデータ収集を行い,またフジツボ類の性表現の進化パターンについて総合的に考察し,日本語で総説を発表した。 4.新たな数理モデルの作成と要因の解析:交尾するフジツボ類だけでなく,放精するフジツボ類,さらには放卵放精をする生物も考慮して,配偶子が届く範囲を決める,より汎用的な関数形をモデルに取り込むため,今年度は放精する種についてモデルの改良を行った。放精種について距離と授精成功との関係を考慮し,モデルの改訂について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナの影響もあって,野外調査・採集の機会が十分得られず,多くのフジツボ種が得られていないため,サブテーマ1の研究はやや遅れている。他方でサブテーマ2-4に関連する研究は成果を論文として公表しており,総合的にはおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
深海種や稀少種などについても引き続き探索を行うが,確実にサンプルが得られるハサミエボシやフサフクロムシなど,モデル生物の候補種における研究を一層推進する。全体として,性システムの多様性について説明力が高まるよう,各サブテーマの研究を進める。
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