研究課題/領域番号 |
19H03295
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
山尾 僚 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (50727691)
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研究分担者 |
澤 進一郎 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (00315748)
向井 裕美 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70747766)
石川 勇人 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (80453827)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2019年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 環境応答 / 種子 / 発芽 / 植食者 / シグナル分子 / 芽生え / トレハロース / アブシジン酸 / 植物ー動物相互作用 / 種子発芽 / 環境認識 / 捕食者認識 / 被食ー捕食 / 環境情報 / 被食回避 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、オオバコの種子が、芽生えを食べるダンゴムシ類の排泄物が存在する条件では休眠し、排泄物が除去されると発芽することを発見した。この現象は、種子が植食者の存在という生物的環境情報を植食者の糞を介して識別し、発芽タイミングを調節し、被食を免れていることを意味している。本研究では、植食者の排泄物に対する種子の応答について①種子が受容するキューの特定、②自然選択の評価、③普遍性の検証、④分子メカニズムの推定を通して、植物の種子における被食環境認識による被食回避戦略の存在を実証する。
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研究成果の概要 |
動物は、排泄物を情報源として利用する。本研究では、植物の種が植食者の排泄物の存在に応答して発芽時期を変化させ、この応答が発芽後の草食を軽減することを明らかにした。オオバコの種は、オオバコの葉を摂食した植食者の排泄物に含まれる化学的刺激にさらされた場合、発芽を停止することを発見した。植食者の排泄物が取り除かれると、オオバコの種はすぐさま発芽した。この発芽時期の変化により、オオバコの種子の生存率が野外で向上した。オオバコの葉を摂食した植食者の排泄物に含まれるトレハロースとアブシジン酸が活性物質として特定された。以上より、植物が動物の排泄物を情報源として利用していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の生物的環境への適応については、栄養成長段階や繁殖段階において精力的に研究され、それぞれ被食防御戦略の研究や動物―植物相互作用研究、送粉生物学など生物学や生態学、植物学の中心的な課題として扱われてきた。本研究により、種子発芽という最も根本的な成長段階において、これまで見過ごされてきた新たな植物の適応進化の階層が存在することを明らかにした。また、植物学において中心的な研究対象である植物の環境受容や発芽制御において新規のシステムを提示することができた。
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