研究課題/領域番号 |
19H03297
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
酒井 聡樹 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (90272004)
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研究分担者 |
牧 雅之 東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (60263985)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2019年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 自殖 / 近交弱勢 / 繁殖戦略 / 他殖 / 自殖率 / 有害遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
自殖と近交弱勢の関係に関する新理論を構築し、それに基づいて、植物の繁殖戦略の多様性の進化要因を統一的に理解することを目指す。 自殖をしても有害遺伝子が維持される機構の解明を試みる。進化生態学の一つの基本的理解として、「自殖をすると、有害遺伝子が排除されて近交弱勢が低下する」というものがある。しかし実際には、自殖率が高い集団においても高い近交弱勢が保たれている。この矛盾の解消を目指す。 この新理論をもとに、自殖率および、胚珠種子・花粉・誘引器官(花弁・蜜)生産への資源分配の多様性の進化要因を統一的に理解することを試みる。これにより、なぜ、多様な繁殖戦略が進化したのかを解明することを試みる。
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研究成果の概要 |
自殖率が高くても近交弱勢が排除されない要因として早期発現遺伝子と後期発現遺伝子の相互作用仮説を提唱した。早期発現遺伝子と後期発現遺伝子が相互作用することにより、両方の遺伝子で有害遺伝子が維持されるという仮説である。このモデルでは、ある固定された自殖率の下で近交弱勢がどのように変化するのかを解析している。近交弱勢のみが進化して自殖率は進化しないという仮定である。さらには、両者が進化するとどうなるのに発展させた。その結果、これまでと同様に、自殖率が高いほど近交弱勢が排除されやすく、完全自殖で低い近交弱勢か、完全他殖で高い近交弱勢が進化すると予測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自殖率は、植物の繁殖において非常に重要な意味を持つ形質である。自殖率は近交弱勢と大きく関係している。近交弱勢は、植物の繁殖成功を決める非常に重要な形質である。どれくらい自殖をするのかが、どれくらいの近交弱勢をもたらすのかを決める。自殖率と近交弱勢を同時に研究することは、植物の繁殖戦略の解明において非常に重要な意味を持つ。本研究は、自殖率と近交弱勢の進化に関して、これまで謎とされてきた問題を解明することができた。
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