研究課題/領域番号 |
19H03304
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 京都大学 (2021-2022) 神戸大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
佐藤 拓哉 京都大学, 生態学研究センター, 准教授 (30456743)
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研究分担者 |
渡辺 勝敏 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00324955)
瀧本 岳 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90453852)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | ハリガネムシ / 感染症 / 群集フェノロジー / R0 / 寄生者 / 感染動態 / 森林-河川生態系 / 増幅効果 / 希釈効果 / 宿主多様性 / フェノロジー |
研究開始時の研究の概要 |
生物群集による寄生者の制御メカニズムを解明することは、寄生者を含む生態系挙動の理解と予測性を高めるとともに、感染症の流行予測や予防を実現することに貢献する重要な研究課題である。先行研究では、宿主の種多様性が感染機会を減少させる希釈効果と増加させる増幅効果のいずれがより多くの感染系を制御しているのかについて議論がなされている。しかし、複雑な生活史を有する寄生者では、中間宿主と終宿主それぞれに多様性が存在する。本研究では、ハリガネムシ類の感染系をモデルとして、「感染動態の安定性は、希釈効果と増幅効果のいずれかでなく、両者が同時に働くことによって規定される」という仮説を理論と実証の両面から検証する。
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研究成果の概要 |
ハリガネムシ類の感染動態において、中間宿主である水生昆虫種群の羽化フェノロジーが季節をまたいで生じており、終宿主への感染機会が長期化しているのに対して、終宿主種間の出現フェノロジーの同調性が高いことが明らかになった。数理モデルを構築してにより、中間宿主と終宿主間の群集フェノロジーの一致度がハリガネムシの基本再生産数(R0)に正負の影響を及ぼす条件を検証した。その結果、中間宿主の群集フェノロジーの期間が長いことは、終宿主の群集フェノロジーが集中的である場合にR0を低くする傾向がある一方、終宿主の群集フェノロジーの変化に対するR0の変動を安定化する効果を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物多様性による感染症の制御は基礎科学のみでなく、社会福祉においても極めて重要な課題である。先行研究では、宿主の種多様性による希釈効果と増幅効果のいずれかが寄生者を制御するという前提の下で研究が進められてきた。これに対して、本研究では、中間宿主と終宿主の両方に種多様性が存在することに着目して、両者の群集レベルでのフェノロジーの一致度が感染動態にもたらす影響を体系的に理解するフレームワークを世界に先駆けて構築した。
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