研究課題/領域番号 |
19H03306
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
幸田 正典 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (70192052)
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研究分担者 |
太田 和孝 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 博士奨励研究員 (50527900)
安房田 智司 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (60569002)
高橋 鉄美 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (70432359)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 古典的一妻多夫 / 雌優位社会 / 繁殖成功 / 性役割の逆転 / 雌の雄操作 / 古典的動物行動学 / 認知行動学 / 動物社会学 / 社会構造 / 社会認知能力 / トゲウオ / 繁殖生態 / 鍵刺激 / 協同繁殖 / 縄張り行動 / 利他行動 / 比較認知科学 / 地域間比較 / 社会認知 / ヘルパー / 顔認知 / 繁殖戦術 / 共同繁殖 / カワスズメ科魚類 / 認知進化生態学 / 協同的一妻多夫 / タンガニイカ湖 / 婚姻形態 / 社会進化 / 共同的一妻多夫 / 分子系統樹 |
研究開始時の研究の概要 |
主に、タンガニイカ湖のザンビア沿岸域において、カワスズメ科魚類の血縁ヘルパーを伴う協同繁殖、古典的一妻多夫の潜水調査を実施する。協同繁殖魚は岩や石の下で営巣する種が観察されてきたため、行動観察が困難であったが、今回対象とするN.ヘックイは開けた砂場で営巣しておるため行動観察が極めて容易であり、これまでの不明点の解明が大いに期待できる。また、古典的一妻多夫も詳細な研究は魚類ではこれまでまったくなく、この繁殖社会の鳥類のそれとの類似性、相違生が明らかにされることにより、いっそうり各位が進むものと期待できる。これらの成果を踏まえ、脊椎動物の社会進化モデルの構築を3年間でめざしていく。
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研究成果の概要 |
鳥類の一部で見られる、雌が複数雄と配偶する古典的一妻多夫は本研究は動物の社会進化を考える上で極めて貴重な研究テーマである。本研究は、魚類で初めて古典的一妻多夫を本格的に野外調査し、その成立要因の解明を行なった。その結果、大型優位雌が複数雄を自身の縄張り内に囲い「産み分け」をすることで、鳥類に匹敵するような一妻多夫を維持していることが世界で初めて明らかになった。 一方、寒冷地魚類の代表としてイトヨの認知能力調べたとこと、種内社会関係に関する認知は熱帯域の魚類と遜色なかった負が、情動面などで環境の違いに起因すると思われる違いが認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は、魚類での古典的一妻多夫の実態が世界で初めて明らかにすることができた。男性優位社会のヒトによって、魚類にさえこのような「女性優位社会」が存在する自身がヒト社会に与える影響は大きいと考える。もちろん、この発見は従来鳥類で考えられてきた仮説を全く異なる分類群の動物で検証したことの意義は大きい。 また、寒冷地群集と熱帯群集における動物の認知能力の進化に関する一般則に対する仮説を提唱できたことも大きい。
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