研究課題/領域番号 |
19H03322
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
杉山 清佳 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10360570)
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研究分担者 |
奥田 修二郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00512310)
高田 美絵子 (森島美絵子) 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30435531)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 抑制性ニューロン / 発達障害 / 臨界期 / 視覚弁別課題 / 細胞骨格因子 / 樹状突起 / 視覚野 / 神経回路形成 / ホメオ蛋白質 / 視覚経験 / 樹状突起形成 |
研究開始時の研究の概要 |
臨界期は、子どもの経験に応じて神経回路を集中的に形成する、脳の成長期である。臨界期に作られた回路は、生涯、個性として保たれる傾向がある。そのため、臨界期異常による回路の誤配線は、将来、精神疾患の一因になることが示唆されている。申請者らは、生後の経験による大脳抑制性ニューロンの成熟が、臨界期の回路形成を促すことを報告してきた。抑制性ニューロンは形態や機能により十種類以上の細胞種に分類されるが、多様な細胞種が分化するメカニズムは分かっておらず、さらに分化に偏りが生じた際の弊害も明らかになっていない。そこで本研究では、経験による抑制性ニューロンの形態形成と機能形成のメカニズムについて明らかにする。
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研究成果の概要 |
子どもの脳には、経験に応じて回路が作られる「臨界期」がある。臨界期の異常は、発達障害など精神疾患を引き起こす一因になると考えられ、メカニズムの解明が求められている。本研究では、臨界期を活性化する大脳の抑制性ニューロンが、生後の経験により分化成熟することを示した。抑制性ニューロンの種類が偏ることによって、脳の機能に発達障害に似た凹凸(臨界期不全と認知能力向上)が検出された。さらに、経験によって抑制性ニューロンの種類に偏りをもたらす遺伝子の同定にも成功し、抑制性ニューロンの形態と機能が連携しながら、健全に偏ることなく発達することの重要性を明らかした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、経験により活性化される新規遺伝子が、抑制性ニューロンの分化を最終的に決定し、大脳の回路機能を左右することを示した。これまでに、抑制性ニューロンの種類が生後に変化するという報告はなく、本結果は国内外に大きなインパクトを与えると予想される。一連の成果は、増加する発達障害や、社会不安に呼応して増大する精神疾患に対して、疾患の背景にある遺伝子や生活環境への理解を促し、症状を緩和するための治療法の開発につながると期待される。
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