研究課題/領域番号 |
19H03330
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
高森 茂雄 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (10397002)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | シナプス / シナプス小胞 / グルタミン酸 / 神経伝達物質 / エンドサイトーシス / クラスリン / 海馬 / 神経伝達物質・受容体 / VGLUT / SNAREタンパク質 / シナプス伝達 / 蛍光イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類中枢神経系における主要な興奮性シナプス伝達には、シナプス小胞膜上に存在する小胞型グルタミン酸トランスポーター(VGLUT)によるグルタミン酸のシナプス小胞への濃縮過程が必須である。VGLUTの発現量や活性が興奮性シナプス伝達強度の制御に繋がると考えられるが、その詳細なメカニズムは不明である。本研究では、各種pH感受性蛍光タンパク質と蛍光グルタミン酸センサーを利用した蛍光イメージングを基盤技術とし、【1】 グルタミン酸再充填メカニズムの解明、【2】 VGLUT発現量とイソ型の違いとシナプス小胞放出特性の解明、【3】 VGLUTタンパク質のシナプス小胞への回収機構の解明、の3点に取り組む。
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研究成果の概要 |
脳内の興奮性神経伝達を担うグルタミン酸は、VGLUTと呼ばれるタンパク質によってシナプス小胞内に充填されます。今回、我々はVGLUTの発現が減弱したマウスの聴覚系巨大シナプスの機能を調べた結果、小胞へのグルタミン酸充填速度が低下し、その結果シナプス伝達の持続時間が短くなることを発見しました。また、マウス海馬培養細胞を用いたシナプス小胞イメージングの結果から、高頻度の刺激が起こった際には、VGLUTを含む一部のシナプス小胞が選択的に動員され、その動員には膜融合に関わるSyntaxin 7が関わっていることを見出しました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統合失調症、自閉症、認知症などの脳神経疾患の多くは、シナプス異常が原因で起こることがわかってきており、総称してシナプトパチーと呼ばれています。これらの病気の発症予防や治療法を確立するためには、シナプス伝達がどのように起こっているか分子レベルで解明することが必要です。今回の我々の研究成果では、VGLUT及びSyntaxin 7をはじめとした脳での発現が低いSNAREタンパク質の働きがシナプス伝達効率の維持に重要な役割を果たしていることがわかりました。これらの知見を蓄積することは、病態の理解、薬物候補のアセスメントの厳格化に寄与することが期待されます。
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