研究課題/領域番号 |
19H03342
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
礒村 宜和 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00415077)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 大脳皮質 / 大脳基底核 / 運動制御 / ラット / スパイク / 運動発現 / 左右肢運動 / げっ歯類 / 随意運動 / パーキンソン病 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちが左右の手を独立かつ協調的に動かす脳の神経回路の仕組みは、まだほとんど解明されていない。パーキンソン病などの神経疾患では、この左右協調運動の制御に障害がみられる。その神経回路の仕組みを解明するためには、遺伝子改変技術を導入でき、実験条件を統制しやすい、げっ歯類動物を研究対象とすることが有効である。本研究では、ラットの左右半球の一次・二次運動野とその投射先の背外側線条体の領域間経路に注目し、一次・二次運動野の投射細胞と背外側線条体の投射細胞はどのように左右協調運動の制御に関与しているのか、その左右協調運動の制御機構は、パーキンソン病状態でどのように変容するのかの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では前肢運動を発現制御する大脳皮質や大脳基底核の神経回路の仕組みを解明することを目指した。頭部を固定したラットに前肢の運動発現課題を遂行させて各脳領域のスパイク活動を記録解析した。神経毒6-OHDAによるパーキンソン病変に伴い一次・二次運動野の神経細胞が示す対側支配性の変化を見出した。前肢の運動発現に関連する黒質緻密部と線条体の投射細胞の運動・報酬関連活動や、海馬と嗅内野の神経細胞の活動タイミングを解析した。また、記録細胞の投射先を同定するスパイクコリジョン試験の自動化や光活性オプシンの最適化、神経活動タイミングの定量的な解析手法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
私たちが手や足を意のままに動かす随意運動を実現する神経回路の仕組みはまだ十分には解明されていない。パーキンソン病などの神経疾患では大脳皮質-基底核回路に異常が生じて運動発現や制御に障害が出現する。本研究は独自に開発したラットの運動発現課題を活かし、さまざまな外界状況における大脳皮質や大脳基底核の神経細胞活動の特性を解明した。また、神経活動の定量的解析手法や領域間信号の計測法などの実験解析技術も開発した。これらの研究成果は神経科学の基礎的基盤を一層強固にするとともに、神経疾患の病態生理の理解にもつながると期待される。
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