研究課題/領域番号 |
19H03353
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
濱島 義隆 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (40333900)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | フッ素 / 不斉合成 / 有機触媒 / 相間移動触媒 / 創薬化学 / フッ素化学 / アルケン / 脱芳香族化 / ラジカル反応 / 光反応 / C-H結合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、我々が独自に開発した多機能性ジアニオン型相間移動触媒を活用し、分子の自在修飾を志向する新規不斉フッ素化反応の開発研究を行う。「高度に組織化されたキラル空間に置かれた高反応性フッ素化剤」を触媒的、かつ効率的に発生させることで、自発的な反応の抑制と立体配座の規制による遷移状態の均質化が実現され、アルケンの不斉フッ素化の飛躍的発展が可能となる。また、光化学との融合により前人未到のC(sp3)-H不斉フッ素化を実現する。この研究により創薬研究などで有用なキラルフッ素化合物の画期的合成法が導出されるとともに、医薬品合成の最終段階におけるフッ素誘導化の基盤が形成される。
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研究成果の概要 |
薬物を構成する元素を生体内に存在しないフッ素で置換するとしばしば親化合物の体内動態、代謝安定性および標的分子との親和性が改善される。創薬においてフッ素置換はよく検討されるが、フッ素化合物の合成法は発展途上である。我々は、これまでほとんど知られていなかったアルケンをはじめとする不飽和化合物の不斉フッ素化反応の実現を目指し、ジアニオン性相間移動触媒を設計・開発した。カチオン性フッ素化剤との組み合わせにより系内で発生させたキラルなフッ素化剤は、アルケンのフッ素二官能基化およびヒドロキシアレーン類の脱芳香族型フッ素化に適用でき、光学活性な新規フッ素化合物群の創出を可能とした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フッ素は最大の電気陰性度を示す元素であるため、他の原子では見られないユニークな性質を化合物に付与することができる。そのため、材料科学や創薬科学研究においてフッ素置換はよく検討されている。創薬では3次元的な広がりを有する分子の重要性が再認識されており、これに関連して本研究ではキラルフッ素化合物の供給法を開発した。我々は、これまで困難であったアルケンの不斉フルオロ二官能基化ならびにヒドロキシアレーン類の脱芳香族不斉フッ素化反応の開発に成功した。本手法で合成される光学活性フッ素化合物は新規物質群であり、新たな創薬シーズの手がかりとして期待される。
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