研究課題/領域番号 |
19H03354
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
中川 秀彦 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (80281674)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | ケージド化合物 / 一酸化窒素 / 近赤外光 / 血管弛緩 / ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
NOとその関連活性種は短寿命シグナル分子であり、実験的取り扱いが困難であるため、研究には供与剤が用いられる。光で投与制御が可能な供与剤であるケージド化合物は、短寿命シグナル分子の詳細な生理機能を解析する上で有用であり、治療研究への応用も期待される。本研究では、これまで応募者が世界に先駆けて開発に成功したケージドNO等を基に、近赤外ケージドNO等を開発し、ナノ粒子化してin vivo応用性を高める。さらに生体透過性に優れた超音波を利用するケージドNO開発も行い、がん等疾患モデルへの応用を行う。
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研究成果の概要 |
これまでの知見を活かしてケージドNOの赤色-近赤外制御を目指して主に研究を推進し、光誘起電子移動反応(PeT)を鍵反応とするケージドNOを開発した。色素部を種々の光波長に対応するよう置換することで、600nm、650nm程度の赤色-近赤外領域の光に応答してNO放出することを示した。さらにラット大動脈切片を用いたマグヌス試験を実施し、光照射によって血管弛緩作用を再現できることを示し、またin vivoラット血管弛緩実験系を用いて光照射による血圧変化を検証することで、全身血圧に影響を与えず局所血圧を制御できることを示した。また、ナノ粒子型ケージドNOについて、有機色素を用いたNO放出に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NOとその関連活性種は短寿命シグナル分子であり実験的取り扱いが困難であるため研究には供与剤が用いられる。光で投与制御が可能な供与剤であるケージド化合物は、短寿命シグナル分子の詳細な生理機能を解析する上で有用であり、治療研究への応用も期待される。さらに、疾患の治療研究等in vivo実験に利用するには生体透過性の高い光で制御できる必要がある。 本研究で開発した赤色-近赤外光ケージドNOは、ex vivo系およびin vivo系でNOの生理機能の1つである血管拡張作用の光制御が可能であることが示され、局所で作用する副作用の少ない薬剤・治療法開発に発展することが期待される。
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