研究課題/領域番号 |
19H03361
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 匡史 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 准教授 (80532100)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 3次元構造 / 糖鎖修飾 / 糖転移酵素 / 細胞内輸送 / 積荷受容体 / 分子メカニズム / 3次元構造 / 人工糖タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
糖鎖は生命現象の諸相で重要な役割を担っているが、核酸やタンパク質とは異なり、その構造形成は厳密な制御を受けておらず、それゆえに糖鎖構造は不均一性を示すものと一般に考えられている。しかしながら、近年の研究を通じて一見無秩序に見える糖鎖修飾が実際には緻密に制御されている可能性が見えてきた。本研究では、種々の構造生物学的手法を用いて「タンパク質の糖鎖修飾の特異性を決定する分子機構」を解き明かすことを目標とする。さらに得られた相互作用様式の情報をもとに、特定の糖鎖を目的の糖タンパク質に提示させる糖鎖編集技術を確立し、これを応用した人工糖タンパク質の生産技術の基盤構築を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、ラミニン結合性糖鎖修飾の初期段階に関わるGlcNAc転移酵素AGO61の立体構造解析に成功した。これにより、本酵素はフィブロネクチンIII型ドメインを介して2量体化し、サブユニット間相互作用を通じて基質認識部位を形成することが示唆された。さらに、積荷受容体ERGIC-53/MCFD2が担う血液凝固因子の細胞内輸送に着目した研究を通じて、糖転移酵素と糖タンパク質の細胞内の会合機会の有無が規定されることにより、タンパク質の糖鎖修飾の特異性が決定されるという新たな分子機構が存在する可能性が見えてきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、すでに医薬品として臨床で利用されているエリスロポエチンに対してわずか10残基のパスポート配列を付加することで分泌量が増加することを見出した。このことは、バイオ医薬品の効率的な生産につながると期待できる。また、本研究の成果では血液凝固因子の細胞内における輸送メカニズムも明らかにしていることから、血液凝固因子欠損症の発症の仕組みの理解を深めるとともに、血栓症のように血液凝固によって引き起こされる疾患の治療法の開発に貢献できる可能性がある。さらに、ラミニン結合性糖鎖合成に関わる糖転移酵素AGO61の立体構造を明らかにしており、筋ジストロフィーの発症の仕組みの理解を深めることができた。
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