研究課題/領域番号 |
19H03366
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 東京大学 (2020-2022) 東北大学 (2019) |
研究代表者 |
青木 淳賢 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (20250219)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | リゾリン脂質 / 免疫 / がん免疫 / GPCR / リゾホスファチジルセリン / PS-PLA1 / 炎症反応 / 受容体 / 免疫機能 / 感染症 / 免疫増強 / B細胞 / G12/13 / 活性化リンパ球 / 産生酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はリゾリン脂質の一種であるリゾホスファチジルセリン(以下LysoPS)に特異的に応答するGPCRを複数同定した。LysoPS受容体は、特に、活性化T, Bリンパ球に特異的に発現し、KOマウスでは免疫が活性化される状況で、顕著なT細胞、B細胞数の増加を認めたことから、LysoPSシグナルは免疫抑制作用を発揮することが判明した。リンパ球が活性化する状況ではLysoPSが産生されていると想定される。そこで、本研究では、未だ不明な点が多いLysoPSの産生系に着目し、生化学的手法とリンパ球レベルでの遺伝子抑制系を組み合わせ、活性化リンパ球におけるLysoPS産生の全容を解明する。
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研究成果の概要 |
今年度、マウス担がんモデルを用いて、抗腫瘍免疫におけるLPS1の機能解析を行なった。マウスの両脇腹へマウス大腸癌由来細胞MC38を皮下投与し、経時的な腫瘍成長をモニターした。野生型マウスと比較してLPS1欠損マウスでは、担がん10日後から16日後にかけて、腫瘍体積の顕著な増大が観察された。また、LPS1作動薬投与群では溶媒投与群と比較して、腫瘍増大が有意に抑制された。また、M1投与群の腫瘍組織ではCD45+免疫細胞の数が有意に増加していた。以上の結果から、内在的なLPS1シグナルが抗腫瘍活性を示すことが明らかとなった。今後、LPS1シグナルが抗腫瘍効果を発揮するメカニズム解析を進める。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん免疫を高める、免疫チェックポイント療法が期待されている。本研究の成果は、従来の免疫チェックポイント療法の標的とは全く異なるGPCRを標的とした抗がん剤開発が可能であることを強く示唆する。今後、化合物、抗体等を用い、LPS1/GPR34を標的とした抗がん剤開発が加速されることが期待される。
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