研究課題/領域番号 |
19H03367
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2021) 東京大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
小幡 史明 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (40748539)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 栄養応答 / アミノ酸 / チロシン / ショウジョウバエ / タンパク質制限 / DOHaD / 腸内細菌 / 自然免疫 / ATF4 / 栄養 / 神経 |
研究開始時の研究の概要 |
疫学的な研究から、発生・発達期の環境が、成人の生命活動に強く影響することが示唆されてきた。しかしその分子機構については明らかになっていない。申請者らのこれまでの研究から発生期の食餌中チロシンやグルタミン酸が、成体の生理状態を変化させることが明らかになってきた。これらのアミノ酸は、神経伝達物質そのもの、あるいはその前駆体として、神経機能を不可逆的に変化させ、成体の生理状態を規定する可能性がある。本研究では、食餌中アミノ酸による神経発生・発達の栄養プログラミング仮説を検証し、その分子機構を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究から、チロシン欠乏を経験した成虫においてはドーパミン量の増加や記憶学習能の向上など、ドーパミン関連表現型には有意な変化が認められなかった。従って、チロシン欠乏を経験した成体に見られる不可逆的生理変化について、ドーパミンの関与は限定的であることが予想された。一方、幼虫体内においては非必須アミノ酸であるチロシンの欠乏がATF4を介して翻訳抑制、mTORC1シグナル抑制、摂食量増加といったタンパク質制限に対する適応応答を司ることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非必須アミノ酸はがんなどの増殖性の高い細胞種で特異的に要求性が高まることから、治療戦略としてその食餌制限の有効性が着目されている。一方で正常個体では体内で十分生合成できるとされ、成長・生殖・摂食・寿命といった生理応答に対する重要性は必須アミノ酸と比べて乏しいと考えられてきた。タンパク質欠乏を感知し、環境適応するための鍵が一つの非必須アミノ酸であるという本研究の発見は、栄養応答研究分野に重要な知見をもたらすものと期待する。
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