研究課題/領域番号 |
19H03374
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
|
研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
武田 厚司 静岡県立大学, 薬学部, 客員教授 (90145714)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
|
キーワード | 亜鉛 / アミロイドβ / アルツハイマー病 / メタロチオネイン / 人参養栄湯 / アミロイド β |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アミロイドβ1-42(Aβ1-42)タンパク質を介した神経細胞内遊離Zn2+の増加は、タウタンパク質を過剰にリン酸化させ、進行性に神経を変性・脱落させてアルツハーマー病の要因となるとの斬新な仮説を実証する。そして、効率的、計画的に海馬メタロチオネイン(MT)合成やアドレナリンβ受容体活性化を誘導し、長期的に神経細胞内でAβ1-42から遊離するZn2+レベルを制御することが進行性神経変性の新規防御・治療戦略となることを実験動物で実証する。
|
研究成果の概要 |
アルツハイマー病の原因物質と考えられているアミロイドβ1-42(Aβ1- 42)は細胞外Zn2+と結合し、海馬神経細胞に速やかに取り込まれる。細胞内ではZn-Aβ1-42複合体からZn2+が遊離する。アドレナリンβ受容体アゴニストであるイソプロテレノールはメタロチオネイン(MT)レベルを上昇させ、Aβ1-42由来のZn2+毒性を軽減し、神経細胞死を阻止した。漢方薬である人参養栄湯、イグサ成分であるデヒドロエフソールを予め経口投与すると、同様にMT誘導合成を介して神経細胞死は阻止された。MT誘導合成によるAβ1-42由来のZn2+毒性軽減はアルツハイマー病の新たな予防戦略となることを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞内亜鉛恒常性に関与するメタロチオネイン(MT)を脳内で誘導合成することにより、Aβ1-42由来のZn2+毒性が軽減し、海馬神経細胞死が阻止できることを実験動物で示すことに成功した。MT誘導合成のために経口投与される人参養栄湯、デヒドロエフソールは自発運動量などに影響を与えない毒性の低い物質である。本研究成果は、アルツハイマー病発症を予防する独創的、かつ斬新的なものであり、超高齢社会である日本でのアルツハイマー病の予防戦略として大いに期待される。
|