研究課題/領域番号 |
19H03375
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
原 俊太郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (50222229)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 脂質代謝 / 過酸化脂質 / 毒性発現 / 重金属 / 生理活性脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
体内に取り込まれた重金属は、標的組織に運ばれ、酸化ストレスを誘導したり炎症反応を惹起したりすることにより毒性を発現する。重金属の毒性の多くは組織特異的であるが、必ずしも重金属が高蓄積した組織が標的となるとは限らず、重金属の組織特異的毒性発現機構については未だ不明な点が多い。そこで、本研究では、マウスに重金属を曝露した際に標的組織で生じる脂質組成や過酸化脂質・生理活性脂質産生等の脂質プロファイルの変化に注目する。脂質プロファイルを網羅的に解析するトキシコリピドミクスの手法と、脂質代謝酵素の遺伝子欠損マウスを用いた解析を組み合わせることにより、重金属の組織特異的毒性発現機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
未だ不明な点が多い重金属の組織・細胞特異的毒性発現機構を明らかにするために、化学物質曝露時に生体や細胞でみられる脂質プロファイルの変化を網羅的に解析するトキシコリピドミクスの手法をさらに展開するとともに、重金属曝露により産生が惹起される過酸化脂質の生成・除去や生理活性脂質の産生に関わる脂質代謝酵素の遺伝子欠損マウスやノックダウン細胞を用いた解析を進めた。その結果、重金属による毒性発現に、毒性発現部位における長鎖アシルCoA合成酵素ACSL4およびカルシウム非依存性ホスホリパーゼA2gammaの発現、ならびにこれらの酵素により制御される過酸化脂質の生成が深く関与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メチル水銀やカドミウムといった重金属を過剰に摂取すると、脳や腎臓といった特異的な組織に障害がもたらされるが、その組織特異的な毒性発現機構についてはほとんどわかっていない。この機構がわかれば、毒性をいかに軽減するか、解毒するかにつながることも期待される。本研究では、組織における脂質組成や脂質代謝酵素発現に関する解析を通じて、毒性が発現する組織での過酸化脂質の生成が重金属毒性に深く関与することを明らかにすることができた。
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