研究課題/領域番号 |
19H03377
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
白川 久志 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (50402798)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 慢性脳低灌流 / アストロサイト / オリゴデンドロサイト前駆細胞 / TRPチャネル / 認知機能障害 / 炎症性サイトカイン / 白質傷害 / 核医学イメージング / グリア細胞 / イメージング / CNS炎症 / 慢性疼痛 / 難治性疼痛 / 多発性硬化症 / 脱髄 / 慢性脳低灌流症 / RIイメージングプローブ / 脳内炎症 / 中枢神経疾患 / サイトカイン / 脱髄性疾患 / SPECT / TRPV4 / TRPM3 / 中枢神経系炎症 / 中枢神経変性疾患 / 加齢 / 免疫細胞 / ミクログリア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では認知機能障害を伴う中枢神経疾患の病態解明・創薬標的の提示を目指す。 近年、中枢神経疾患においては脳内炎症が病態に深く関与することが示唆されているが、そのメカニズムに関しては不明な点が多く残されている。そこで本研究では、脳内において神経細胞よりその数が多く存在しているグリア細胞に焦点を当てる。その過程では、遺伝子改変マウス等を用いて人為的にグリア細胞を制御し、放射性同位元素プローブを用いて描出化を行い、各グリア細胞の選択的分取による遺伝子発現解析も行い、どのグリア細胞が/どのタイミングで/どのようなメカニズムで/どの病態に関与しているかを追求する。
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研究成果の概要 |
近年、認知症の病態メカニズムとして、生活習慣病等により脳が慢性的な低血流状態になり、髄鞘を形成するオリゴデンドロサイトの機能異常や細胞死である白質傷害が起き、神経細胞死に至る前段階で、認知機能障害などの神経機能異常を引き起こすことが明らかになりつつあるが、その詳細な病態機序や防御機構には多くの未解明な点が残されてきた。本研究では、シナモン主成分のシンナムアルデヒド等に感受性のあるTRPA1の遺伝子欠損マウスを用いて、慢性脳低灌流(BCAS)モデルを作製し詳しく解析したところ、アストロサイトTRPA1がLIFの産生を介して髄鞘形成を促進し、病態保護的な役割を果たしていることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
最近、アルツハイマー型認知症は、アミロイドβに対する抗体医薬品の新薬承認により大きな話題となっています。一方、アルツハイマー型認知症を『脳血管障害』と捉える研究もまた大きな注目を集めており、脳血管障害や慢性脳低灌流を防ぐことは、白質傷害を経て惹起される認知機能傷害の『予防』にも『治療』にもつながることが示されつつありますが、その病態機序や内因性防御機構は、ほとんど解明されていません。研究代表者らの一連の研究成果により、その病態の一端と生体側の防御機構の一部が明らかとなったことから、今後の認知症研究では「白質を保護する」という防御機構に対して、創薬戦略として、さらに注目が集まると考えられます。
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