研究課題/領域番号 |
19H03385
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
市瀬 浩志 武蔵野大学, 薬学部, 教授 (40282610)
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研究分担者 |
石川 和樹 武蔵野大学, 薬学部, 助教 (30779822)
熊本 卓哉 広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (50292678)
橋元 誠 武蔵野大学, 薬学部, 講師 (80552893)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 生合成 / ナフトキノン / 放線菌 / 二次代謝 / 官能基化 / 二量化 / モデリング / 過酸化水素 / 酸素添加 / エノイル還元 / 立体特異的 / 変異型酵素 / 全合成 / 機能解析 / フラビン / 酵素解析 / 生合成酵素 / 高度官能基化 / 基質認識 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、下記の通りである。 酸素添加・多量体化・糖転移などの高度に官能基化されたナフトキノン(NQ)骨格をもつ天然物が、その構造や生物活性の多様性から注目されることを考慮して、NQ骨格をもつ放線菌代謝産物の生合成酵素群の中に①多段階酸素添加と②位置特異的二量化反応を触媒するものを同定したことを機に、各酵素系の基質認識機構の酵素学的解析、各種合成基質に対する酵素反応の精密分析、①②の各類似酵素によるタンパク質工学的な機能開拓を通じて、新たなNQ化合物の創製を行う。学術的特徴として、創製分子に期待される構造と生物活性の多様性と対象酵素群のタンパク質構造としての独自性が特筆される。
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研究実績の概要 |
Streptomyces coelicolor A3(2)の生産するactinorhodin(ACT)は、ナフトキノン(NQ)二量体の基本骨格を有し、Type II 型polyketide synthase (PKS)を中核とする単機能酵素群による多段階反応の中に、連続酸素添加並びに位置特異的二量体化という高度官能基化を伴って生合成される芳香族ポリケタイド化合物である。 ACTならびにNQのC-配糖体構造をもつmedermycin (MED)とgranaticin (GRA)に関与する生合成酵素群を利用して、NQ骨格形成に含まれる高度官能基化機構の統合的解明を基盤として下記の6つの目的を設定して研究を展開している。 1.フラビン依存型酸素添加酵素(FMO)ActVA-5/ActVBと類縁酵素の機能解析; 2.改変型FMO酵素群の設計・調製と二量体化酵素ActVA-4/ActVA-3の機能解析; 3.天然型および改変型各種FMOによる各種多環性基質への酸素添加システム構築; 4.ActVA-4/ActVA-3による各種NQ型基質による多量体化反応の試行; 5.AcVA-4/ActVA-3類縁酵素によるNQ型化合物の多量体化反応の実施; 6.改変型高度官能基化酵素システムの設計・調製と高度官能基化NQ化合物の創成.今年度は、4.ActVA-4/ActVA-3によるACT生合成最終段階に関与する二量化反応の機能解析を実施し、本反応が、NQ型基質DHK-OHとその還元生成物THK-OHとによるヘテロ二量化として進行し、過酸化水素の脱離の経て、ナフトキノン二量体となる前例のない反応機構を解明した。また、ActVA-4のホモロジーモデリングによる解析から酵素ポケット内の三次元的な二量化機構モデルを提唱した。これらの研究成果は学術論文に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ActVA-4/ActVBによる二量化反応が、既知の天然ビアリール化合物の生成に関与するラッカーゼやP-450型酵素によるものとは異なるものであったことが要因としてあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
ActVA4とその類縁酵素のモデリング解析により、多量化反応に関与する重要アミノ酸候補の同定はできており、その機能開拓研究も進行中である点があげられる。
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