研究課題/領域番号 |
19H03394
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡田 康志 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50272430)
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研究分担者 |
池崎 圭吾 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (10722960)
池田 一穂 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (20642565)
神原 丈敏 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (40451637)
榎 佐和子 (苙口佐和子) 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (50467635)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2019年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 軸索輸送 / 分子モーター / 分子混雑 / キネシン / 小胞輸送 / 微小管 |
研究開始時の研究の概要 |
神経細胞の軸索輸送を担うモーター分子としてキネシンが単離同定されて30年以上が経つ。しかし、これまでの研究により解明されたキネシンの運動機構から細胞内の物質輸送を定量的に説明することは未だに困難である。たとえば、速度は輸送を考える上で最も基本的なパラメータである。実際、遺伝性痙性対麻痺などでは、輸送速度の低下による輸送障害により、神経細胞が傷害されると考えられている。しかし、細胞内のいわゆる分子混雑環境の中でも、高速な小胞輸送を実現する機構は全く不明である。本研究では、一分子イメージングや超解像ライブイメージングなどの先端的イメージング手法を用いてこの問題にアプローチする。
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研究成果の概要 |
アルツハイマー病との関連も示唆されているAPP輸送小胞は、従来型キネシンKIF5で輸送されている。その神経軸索での輸送速度は、精製したキネシンKIF5の運動速度の3~5倍である。このように、細胞内での小胞輸送の速度が、これを駆動するモーター分子の試験管内での運動速度の数倍以上に達する例は少なくない。本研究では、この高速化機構の解明を目的として、従来型キネシンKIF5Aに着目し、精製したキネシン分子の一分子力学計測と、細胞内での一分子レベルの運動速度計測、神経細胞での小胞輸送速度計測を統合的に実施した。その結果、連続運動性と運動速度のトレードオフ関係が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
軸索輸送速度の低下は、さまざまな神経変性疾患との関連が示唆されている。また、マウスの実験系では、軸索や樹状突起での輸送を向上させることで疾患の予防や記憶力の改善が報告されている。したがって、軸索輸送速度の調節機構、特に高速化するための機構を理解することは、神経変性疾患の発症機構の理解の一端につながるだけでなく、あらたな治療戦略として期待される。
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