研究課題/領域番号 |
19H03395
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木山 博資 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00192021)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 軸索再生 / 脂質 / 神経変性 / 神経再生 / ATF3 / コレステロール / GPR34 / ABCA1 / microglia / グリア / 神経損傷 / 脂質受容体 / リン脂質 / 疼痛 / 末梢神経 / ミクログリア / 再生 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者が行ってきた損傷神経のバイオロジーの全体像の解明において、神経損傷による神経やグリアでの脂質の動態が不明であった。そこで本研究では、脂質分子や膜リモデリングが損傷後の神経再生や変性に与える影響やそのメカニズムを明らかにすることをめざす。本研究の成果は、神経変性疾患や損傷による運動機能の修復や神経障害性疼痛からの開放など出口戦略にむけ、治療法の開発にも新たな切り口を提供すると期待される。
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研究成果の概要 |
研究代表者らは損傷運動神経再生の分子メカニズムの解明にむけ、独自の研究を行っている。運動神経損傷により発現する遺伝子の探索で当初オルファン受容体として得られたGPR34は脂質受容体であり、神経障害性疼痛に関与することが明らかになった。さらに、損傷神経が再生あるいは変性する過程で、細胞内のオルガネラや周辺のグリアがダイナミックに変動し、これには細胞膜内の脂質リモデリングや脂質による細胞間情報伝達が重要であることが明らかになった。脂質リモデリングや脂質を介する情報伝達は神経損傷後の適切な軸索再生や生存のための適切なグリア活動に関わることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
運動神経軸索障害は著しい運動障害だけでなく、神経障害性疼痛など難治性の疼痛の原因となる。損傷神経の修復による運動機能の修復や神経障害性疼痛からの開放に至る研究は、QOLの観点から重要な課題である。本研究では損傷修復の修復過程に脂質のリモデリングや脂質を介する神経・グリア細胞間情報伝達が重要であることを明らかにした。損傷神経修復過程のコレステロールやリン脂質の局在変化やグリアにおける脂質受容体を介する応答は、今後の治療の標的となりうることが動物を用いた基礎研究で明らかとなった。
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