研究課題/領域番号 |
19H03402
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
美津島 大 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70264603)
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研究分担者 |
西井 淳 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (00242040)
村井 礼 山口大学, 国際総合科学部, 准教授 (30279111)
石川 淳子 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30570808)
呉本 尭 日本工業大学, 先進工学部, 教授 (40294657)
崎本 裕也 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (40634390)
木田 裕之 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70432739)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | エピソード学習 / AMPA受容体 / GABAA受容体 / super burst / ripple firings / synaptic diversity / memory encoding / entropy / エピソード記憶 / 海馬CA1 / リップル発火 / アセチルコリン / 学習・記憶 / シナプス可塑性 / リップル波 / 興奮性シナプス / 抑制性シナプス / decoding / neural code / AMPA receptor / GABAA receptor / episodic experience / contextual learning / self-entropy / 多ニューロン発火活動 / 海馬CA1ニューロン / 自己エントロピー / AI・深層学習 / AI機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
ストレスを伴うエピソード経験は海馬内に強い記憶を形成し、個体は回避行動に役立てる。ラットを用いストレス回避学習を行うと、海馬CA1ニューロンに対する興奮性シナプスと抑制性シナプスの可塑性が高まり、多様な入力特性が保持されること、CA1ニューロン群により多様なリップル様同期発火活動が維持されることを発見した。本研究では、GABAA受容体β3 subunitのSer408-409リン酸化阻止実験を行い、シナプス・分子レベルの影響を解析し、学習との因果関係を引き続き立証する。さらに、経験前後や異経験間の違いをAI機械学習システムにより網羅的に比較分析し、学習の符号化ルール解明を目指す。
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研究成果の概要 |
雄ラットをケージに馴化させ、拘束ストレス、雌との社会性接触、雄との社会性接触、新奇物体との接触など、いずれかのエピソードを10分間経験させ、前後の海馬CA1ニューロン群における多ニューロン発火活動を自由行動状態で記録した。経験40分後に興奮性シナプスと抑制性シナプスの可塑性をスライスパッチクランプ法で解析した。経験前には散発的なbasal発火活動が中心であるが、経験中と直後にbasal発火の3SDを超える自発性高頻度発火が何度も発生し、続いて約50msの発火クラスター(リップル発火)が無数に発生した。自発性高頻度発火、リップル発火、シナプス多様化はいずれも直近のエピソード経験に特異的であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
記銘過程を明らかにできれば、認知症など高次機能疾患モデルと比較し、病態生理の解明や診断法の確立に生かせる。実際、Amyloid beta1-42 oligomerの海馬内投与は、エピソード学習を阻害し、閾値低下による異常発火やCA1シナプスにおけるGABAA受容体単一チャネル電流の低下など様々な病態変化を示した。どの段階でシナプスや発火活動に情報破綻が生じるのか疾患独自の障害発生源を特定し、薬物を用いた治療戦略に活用できると考えられる。
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