研究課題/領域番号 |
19H03406
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福永 浩司 東北大学, 薬学研究科, 名誉教授 (90136721)
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研究分担者 |
松崎 秀夫 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (00334970)
川畑 伊知郎 東北大学, 薬学研究科, 特任准教授 (30579743)
篠田 康晴 東北大学, 薬学研究科, 助教 (70806405)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 難治性希少疾患 / 自閉スペクトラム症 / ミトコンドリア障害 / アミノレブリン酸 / オキシトシン / 酸化ストレス / 海馬 / 記憶 / 自閉スペクトラム障害 / 遺伝子発現 / ミトコンドリア異常 / ミトコンドリア / バルプロ酸 / 社会性行動 / バルプロ酸暴露マウス / バルプロ酸暴露ラット / ミトコンドリア機能障害 / 自閉症 / トレースアミン関連受容体 / 5-アミノレブリン酸 / 自閉症モデルマウス |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症スペクトラム症(ASD)の頻度は約1%で、男性有意に発症する難治性小児疾患である。対症療法以外に根本的治療法はない。病因の一つにミトコンドリア機能異常が知られており、ミトコンドリア関連遺伝子の変異も明らかにされている。本研究では(A)ミトコンドリア機能改善薬5-アミノレブリン酸(5-ALA)のASDマウスにおけるミトコンドリア機能および社会性行動改善の機序を明らかにする。(B) TAAR1受容体アゴニストのASDマウスの社会性行動改善作用とその機序を解明する。(C) 自閉症者リンパ球のミトコンドリア機能がバイオマーカーになるか検証する。
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研究成果の概要 |
バルプロ酸(600mg/kg)に暴露した自閉スペクトラム症(ASD)ラットを用いた。ASDラット海馬での酸化ストレス亢進はミトコンドリアの電子伝達系の酵素異常を伴っていた。ASD様の行動はアミノレブリン酸の経口投与とオキシトシンの鼻腔内投与で改善した。アミノレブリン酸による行動改善はミトコンドリア障害の改善と相関した。マイクロアレイ分析では神経伝達に関連する遺伝子がASDラットで変化した。遺伝子発現はオキシトシンで部分的に改善し、社会性行動の改善作用への関与が示された。本研究はASDの神経伝達の分子基盤を明らかにして、アミノレブリン酸とオキシトシンによる改善作用メカニズムの解明に繋がる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自閉スペクトラム症(ASD)の頻度は約1%で、男性有意に発症する難治性小児疾患である。私達は ASDモデルである胎児期バルプロ酸暴露ラット(VPA暴露ラット)を用いて、脳内酸化ストレスの亢進の機序を明らかにした。天然アミノ酸であるアミノレブリン酸が酸化ストレス、ミトコンドリア障害を改善することを実証した。一方、臨床試験が実施されているオキシトシンの作用機序を遺伝子マイクロアレイ解析により明らかにした。アミノレブリン酸は天然アミノ酸であり、安全なサプリメントとして新しい改善方法を提唱した。さらに、オキシトシンの作用機序を明らかにすることで、ASDの治療法の開発に貢献した。
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