研究課題/領域番号 |
19H03417
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 泰生 京都大学, 工学研究科, 教授 (80212265)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
|
キーワード | イオンチャネル / TRPチャネル / シグナル伝達 / マクロファージ / 炎症 / カルシウム / 活性酸素種 / STAT3 / 活性酸素 / タンパク質間相互作用 / 免疫応答 / TRP / Ca2+ / STAT / 機能分極 / タンパク質複合体 / 分化 / 細胞シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜のイオンチャネルが化学的・物理学的変化を感知し開口すると、その開いた「穴」を通ってNa+とCa2+等が通過し、様々な電気現象を生体に引き起こす。最近、この旧来から理解されてきたイオンチャネルの働きとは全く異なる、新たな機能が示されつつある。本研究では、生体内外の環境変化のバイオセンサーとして働くTRPタンパク質群が構成するイオンチャネルに着目し、それらがどのような他タンパク質と相互作用することにより、細胞内物質のバランスを変化させ、均質な細胞集団から異なる細胞種を生成していくかを明らかにする。
|
研究成果の概要 |
TRPタンパク質は生体内外環境変化を感知して活性化開口する陽イオンチャネルである。この従来の理解を超えるべく、H2O2により活性化開口するTRPM2の「非チャネル機能」の機構的基盤と生物学的意義を追究した。TRPM2相互作用タンパク質の網羅的探索により得られたSTAT3はTRPM2活性を強く阻害し、お互いの発現レベルを激減させた。TRPM2 KOマウスにおいては、担癌内腫瘍関連マクロファージのSTAT3シグナルが亢進しVEGFを介して新生血管が過剰形成されたが、薬物誘導性炎症は抑制された。このように、STAT3シグナル抑制によるマクロファージの機能分極調整というTRPM2の新機能を発見した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球的規模で自然環境や生態の大きな変化が起きようとしている。ヒトがこういった変化にどう適応するべきかの方策を考えていくためには、生物体が備える環境対応能力を理解する必要がある。本研究が対象としたTRPチャネルは、生体内外環境の化学的・物理学的変化のセンサーとして働くことが知られた陽イオンチャネルであることから、このような課題の解明に最もふさわしい題材を提供する。また、生態系の破壊により顕在化する未体験のウイルスや病原微生物も問題になっており、これらからの生体防御の理解にも本研究は重要なきっかけを与える。
|