研究課題/領域番号 |
19H03418
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 拓也 京都大学, iPS細胞研究所, 准教授 (60546993)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | RNA2次構造 / 多能性幹細胞 / 翻訳制御 / RNA2次構造 / 転写後修飾 / RNA制御 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の網羅的解析技術の向上により、細胞や組織で発現しているmRNA「量」を容易に測定することが可能となり、mRNAの発現量を規定する分子メカニズムの解明は進んでいる。しかしながら、細胞運命変換過程等において、mRNA自身の量の変化とmRNAを元に合成されるはずのタンパク質量の変化との相関がそこまで高くないことが示されている。本研究では、多能性幹細胞特異的なmRNAの2次構造をゲノムワイドに同定し、網羅的データを利用した統合的な解析を行なうことにより、mRNAの多面的制御機構(RNAレギュローム)を明らかにし、mRNAの「質」的制御が細胞機能に及ぼす役割を理解することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヒト体細胞とヒト多能性幹細胞を用いてRNA2次構造に着目した解析を行い、特定の遺伝子の5'UTR領域が多能性幹細胞特異的な翻訳制御に寄与していることを明らかにした。また、個々のRNAのスプライシングバリアントごとにRNA2次構造を高精度で解析する手法を開発し、独自に構築したレポーターシステムを組み合わせて解析することによって、多能性幹細胞特異的に高い翻訳効率を示すスプライシングバリアントを同定しそれらのRNA2次構造を決定した。また、多能性特異的なRNA2次構造に結合しうる候補制御因子も抽出した。本研究は、転写後RNA制御ネットワーク機構と多能性維持機構の関連性を示すものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多能性幹細胞では、転写制御に関する多くの知見が得られており、転写ネットワークモデルが確立されている。しかしながら、転写後修飾、タンパク質翻訳制御までを含めたRNAの多面的制御機構に関する知見はまだまだ限られている。本研究では、体細胞初期化モデルを用いてRNA2次構造のプロファイルを構築することにより、タンパク質翻訳を制御するRNAの二次構造の機能解明を行い、多能性維持機構に寄与する転写後修飾および翻訳制御機構の関連性を明らかにした。つまり、細胞運命変換過程における制御機構を階層的なRNA制御機構という観点から考察するという新しい視点をもたらすことができた。
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