研究課題/領域番号 |
19H03433
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
華山 力成 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (40403191)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 血球貪食 / マクロファージ / 炎症性疾患 / シグナルクロストーク / CAGE法 / サイトカインストーム / サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
血球貪食症候群は、過度の炎症性刺激でマクロファージが異常活性化することにより、本来貪食対象ではない自己血球を生きたまま貪食するようになる疾患である。私達はこの疾患の発症機構を解明する為、培養細胞を用いて血球貪食を再現する実験系を樹立した。そこで本研究では、この培養細胞実験系を活用することにより、血球貪食の分子機構の全容を解明するとともに、それらの分子機構が実際のヒト患者やマウスモデルでの病態発症に関与するかを検討することで、将来の治療標的の同定を目指す。加えて、特定の炎症性刺激の組み合わせが、どのような相乗効果により血球貪食を誘発するのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
CpG DNA、IFN-γ、抗IL-10受容体抗体の三種混合刺激により、マクロファージが血球貪食する為、刺激前後のマクロファージの遺伝子発現を比較することで、刺激により発現が強く上昇する細胞表面分子を12種類同定した。各分子に対する阻害抗体や、CRISPR/Cas9を用いたマクロファージでの発現低下による血球貪食能への影響を評価することで、新規血球貪食関連分子として4分子を同定した。また、CpG DNAとIFN-γとのシグナルクロストークにより、これらの分子の発現がどのように制御されるかをCAGE法により解析し、7つの特定遺伝子の転写開始点に変化が生じることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
死細胞の貪食機構については数多くの研究がなされており、その生理的意義が明らかとなっているが、血球貪食の生理的意義は未だ不明である。この機構は重篤な炎症性疾患の病態だけではなく、より広範な「Cell-in-cell structures」として、胸腺ナース細胞による未熟Tリンパ球の取り込み・育成や、細胞の共食い(エントーシス)、リンパ球の経細胞内移動(trans-cellular migration)などの基盤としても生理的に重要である可能性がある。更に、この機構を制御することで、生きた癌細胞をマクロファージに貪食除去させる治療法が開発される可能性もあり、新たな研究展開への発展が期待される。
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