研究課題/領域番号 |
19H03435
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
垣塚 彰 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (80204329)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | VCP / 飢餓 / 前立腺癌 / フェロトーシス / 生体応答 / VCP/p97 / 前立腺細胞 / GSH / VCP・p97 / 前立性癌 / 新規機能 / 細胞保護 / p97/VCP |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトは一日あたりその体重に相当する重さのATPの合成と分解を行っていると言われており、ATPとATPaseは、生物(細胞)の活動になくてはならないものである。可溶性ATPaseの中で最も豊富に存在するのがVCPである。本研究では、VCPが果たす細胞・生体での役割の内、VCPによって栄養源が感知されるメカニズムとそのメカニズムが破綻したときに引き起こされる新たな細胞死のメカニズムの解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、PC3などの前立腺癌細胞を飢餓状態にすると、細胞内に豊富に存在する可能性ATPaseであるVCPはグルタミンの減少を感知し、凝集体様の構造物に局在を変えることによって、フリーのVCP量を減少させることでミトコンドリアの活性を抑制し、ROSの産生、さらには、その結果引き起こされるフェロトーシス(細胞死)を抑制するという、細胞を飢餓から防御するこれまでに知られていないメカニズムが存在することを明らかにした。さらに、我々が開発したVCPのATPase活性を特異的に抑制する化合物、KUS121の投与で、腎の再環流モデル、外傷性膝関節症モデルの病態が劇的に改善することを見いだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物の生存にとって最大の脅威の1つが飢餓であるが、飢餓に対して生物がどのような対応を行っているかはよく解っていなかった。本研究によって、細胞内でエネルギー代謝を制御する鍵分子であるVCPと呼ばれる主要なATPaseが、飢餓時に細胞内で凝集体様の構造物に局在を変化させることで、フェロトーシスとよばれる急激な細胞死を回避するメカニズムが存在することを明らかにした。一方、急性の腎傷害、膝関節症モデルに対し、このVCPのATPase活性を特異的に抑制する薬剤(KUS121)の投与が、有効な治療に繋がる可能性を動物実験で示すことができた。
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