研究課題/領域番号 |
19H03440
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 順天堂大学 (2021) 国立研究開発法人国立がん研究センター (2019-2020) |
研究代表者 |
市村 幸一 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (40231146)
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研究分担者 |
加藤 護 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (40391916)
杉原 英志 筑波大学, プレシジョン・メディスン開発研究センター, 准教授 (50464996)
小島 洋児 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (70720811)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 中枢神経系胚細胞腫 / 全ゲノム解析 / iPS細胞 / ロングリード解析 / 生殖細胞 / iPSC / ロングリードシークエンス / レトロトランスポゾン / 胚細胞腫 / 脳腫瘍 / 全ゲノムシークエンス / 生殖細胞発生 / 始原生殖細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
中枢神経系胚細胞腫(CNSGCT)は小児・AYA世代に好発し、小児脳腫瘍の中ではわが国において2番目に頻度の高い悪性脳腫瘍であるが、その発生機序は謎に包まれている。本研究ではCNSGCTに対して全ゲノムシークエンスを行い、ゲノム全領域において点突然変異からゲノム構造異常まで網羅的な解析を行い、CNSGCTの発生機序を解明する。またCNSGCTで多く見られる遺伝子変異をヒトiPS細胞に導入し、これをCNSGCTの起源細胞とされる始原生殖細胞に誘導することにより、CNSGCTのモデルを作成することを目指す。
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研究成果の概要 |
中枢神経系胚細胞腫は本邦に多い小児脳腫瘍であるが、その病態と発生機序は不明である。本研究では、中枢神経系胚細胞腫の亜型であるジャーミノーマ15例に対して、次世代シークエンスによる全ゲノム解析を行った。その結果、すべての症例で多数の体細胞性変異が認められ、特にKITやMTORと言った中枢神経系胚細胞腫の発生に関わることが示唆されている遺伝子については、全例において何らかの変異が見られた。さらにナノポアシークエンスを用いたロングリード解析では、レトロトランスポゾンの活性化を示唆する所見が得られた。またiPS細胞に変異KITを導入して始原生殖細胞に誘導し、胚細胞腫のモデルの作成を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児脳腫瘍は小児の病死の最大の原因の一つである。中枢神経系胚細胞腫は本邦において2番目に多い小児脳腫瘍であるが、その発生機序はいまだ不明である。中枢神経系胚細胞腫には多くの亜型があり、中には治療抵抗性で予後不良の腫瘍も多い。この発生機序を明らかにすることは、診断や治療の開発につながり、治療成績の向上に結び付くことが期待される。中枢神経系胚細胞腫は欧米で少ないため研究が進んでおらず、日本発の研究を世界に向けて発信する機会となる。また胚細胞腫は精巣を始め他の臓器にも発生するため、本研究の成果は小児脳腫瘍にとどまらずがん研究の発展に広く貢献することが期待される。
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