研究課題/領域番号 |
19H03471
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中川 一路 京都大学, 医学研究科, 教授 (70294113)
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研究分担者 |
野澤 孝志 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10598858)
相川 知宏 京都大学, 医学研究科, 助教 (70725499)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | ゼノファジー / A群レンサ球菌 / ユビキチン化 / Fboxプロテイン / 菌体表層糖鎖 / GAC / ガレクチン / -A群レンサ球菌 / SLO / Nga / ゴルジ体 / 黄色ブドウ球菌 / RabGAP / RabGEF / オートファジー / 上皮間接着 / TBC1D9 / 細胞内カルシウム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、細菌種特異的にゼノファジーを誘導するRabタンパク質制御ネットワークと、その活性化に関わる細菌性因子を特定し、細菌種特異的なゼノファジー制御系を明らかとすることを目的とする。宿主細胞内に侵入した菌は、p62やNDP52などのユビキチンへのアダプター分子を介してゼノファジーによって認識されるが、菌種をどのように認識するのかについては明らかではない。そこで、A群レンサ球菌と黄色ブドウ球菌を用いて菌種特異的な動態を示す小胞輸送制御システムであるRabの制御因子であるRabGAP/RabGEFが、細菌性因子によってどのように制御されているのかを明らかとする。
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研究成果の概要 |
ゼノファジーは、細胞内に侵入した細菌を異物として認識してオートファジーによって分解される現象である。細胞内に侵入した菌は、細胞質へと脱出すると同時に宿主側のオートファジーによって認識され分解される。A群レンサ球菌の菌体の最表層に存在する糖鎖合成系の変異体を作製して、ゼノファジーによる認識・排除に対して解析を行った。レンサ球菌の群多糖抗原を認識してゼノファジーを誘導しており、その認識にはこれまで細菌感染での機能が未知であった細胞内のユビキチンリガーゼ複合体の構成因子であるFBXO2タンパクが関わっていることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、細胞内に侵入した菌の認識と排除に、菌体表層の糖を認識してユビキチン化を誘導する新たなメカニズムを明らかとした。実際に、ゼノファジー誘導においては感染する菌の種類によって動員される細胞内のメンブレントラフィッキングに関わる分子が大きく異なっていることから、以前からどのように菌種を見分けているのかという点が不明であったが、今回の研究で、その一端を明らかにできたと考えている。宿主細胞内には、まだまだ機能が明らかとなっていないユビキチンリガーゼが存在しており、我々が想像している以上に、細胞内の異物を細かくかつ正確に認識している可能性がある。
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