研究課題/領域番号 |
19H03472
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 哲也 九州大学, 医学研究院, 教授 (10173014)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | セラチア・マルセッセンス / セラチア属 / ゲノム解析 / 系統解析 / プラスミド / 可動性遺伝因子 / 薬剤耐性 / 病原性 / セラチアマルセッセンス / コアゲノム / パンゲノム / CRISPR-Cas / 細菌 / セラチア / ゲノム / 多剤耐性 / 高病原性 |
研究開始時の研究の概要 |
セラチアは代表的な日和見感染菌の一つであり、院内感染や高度多剤耐性株の出現が問題となっている。本菌は広く環境中に分布しており、多様な菌株の集団と考えられるが、その遺伝的多様性の実態は不明である。本研究では、550株を越える菌株のゲノム配列に基づいた高精度な系統解析等を行うことより、本菌の種としての遺伝的多様性の実態と各系統の遺伝的特性を解明する。また、耐性遺伝子やプラスミドの網羅的な解析により、本菌における高度多剤耐性株出現過程とその過程へのプラスミドの関与を明らかにする。さらに病原遺伝子群の検索と病原性解析により、潜在的病原性の高い系統の存在を同定し、その責任遺伝子を同定する。
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研究成果の概要 |
代表的な日和見感染菌であり院内感染や高度多剤耐性株の出現が問題となっているセラチアマルセッセンスとその近縁種(Sma complex)のグローバルな大規模ゲノム解析を行い、14系統の同定し、各系統と既知菌種の関係を明らかにした。また、各系統のゲノムサイズやGC含量に違いを明らかにし、その違いが外来遺伝子の獲得によることや系統ごとの外来遺伝子の獲得様式の違いを示した。さらに、臨床及び病院環境由来株が大部分を占める2系統を同定し、これら2系統に耐性遺伝子・変異が顕著に集積していることなどから、これらがSma complexの中の院内環境適応系統であると結論づけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セラチアマルセッセンスは代表的な日和見感染菌の一つであり、院内感染や高度多剤耐性株の出現が問題となっているが、その多様性や、臨床株と環境株の違い、近縁菌種と関係などは不明であった。本研究によって、セラチアマルセッセンスとその近縁種(Sma complex)の中の各系統と既知菌種の関係が明らかとした点が分類学的には重要であり、臨床及び病院環境由来株が大部分を占める2系統(hospital-adapted lineage)を同定した点が臨床的には重要である。
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