研究課題/領域番号 |
19H03475
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
川口 敦史 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90532060)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2019年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 炎症応答 / インフルエンザウイルス / インフルエンザ / 上皮 / 炎症 / 気道上皮組織 |
研究開始時の研究の概要 |
A型インフルエンザウイルス(IAV)感染に応答して、気道上皮細胞では炎症性サイトカインであるIL-1betaが産生される。これによって、マクロファージや好中球が感染組織に遊走し、感染早期での生体防御が惹起される。一方、遊走したマクロファージからさらにIL-1betaが産生されることで、過剰な炎症応答が誘導されて病態は増悪する。本研究では、気道上皮組織におけるウイルス感染の認識機構と、病態悪化へと繋がる過剰な炎症応答を引き起こす分子基盤を明らかにする。
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研究成果の概要 |
インフルエンザウイルスの感染病態を理解するには、気道上皮組織における感染初期の炎症応答と、マクロファージによって二次的に増幅された過剰な炎症応答を区別し、それぞれの分子機構を理解していく必要がある。気道上皮細胞からの炎症応答誘導を制御するセンサー分子としてMxAを同定し、MxAによって鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染が抑制され、MxAは宿主域の決定因子の一つであることを明らかにした。また、炎症応答によって細胞外に放出されたASCスペックルが細胞間伝播することで、非感染細胞でも過剰な炎症応答(サイトカインストーム)が誘導されることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MxAは鳥インフルエンザに対して、季節性インフルエンザよりも強く炎症応答を誘導することが明らかになり、季節性インフルエンザはMxAに対する逃避変異を獲得していることでヒトでの感染能・伝播能を獲得することが示唆された。また、ASCスペックルの細胞間伝播を制御することで、感染症による急性炎症だけでなく、喘息など慢性炎症も制御できることが明らかになり、新たな創薬標的を同定することができた研究成果である。
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