研究課題/領域番号 |
19H03476
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
桑田 一夫 岐阜大学, 大学院連合創薬医療情報研究科, 教授 (00170142)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | プリオン / 原子間力顕微鏡 / 異常型構造 / オリゴマー / αシヌクレイン / 感染性構造 / 安定2量体 / プリオン異常化 / 高速原子間力顕微鏡 / 立体構造 / NMR / 動的光散乱 / 異常型 / 感染性 / 異常型プリオン / タンパク質立体構造変換 / 一分子形状観測 / 細胞表面一分子形状観測 / 超広域型スキャナー / 線維状構造 / 球状構造 / ラフト / プリオン構造変換 / 単粒子解析 / 感染性解析 / 構造感染相関 |
研究開始時の研究の概要 |
クロイツフェルト・ヤコブ病が見出されてからおよそ100年を経過し、またその原因であるプリオンが見出されてから約40年が経過したが、その立体構造の詳細は未だに謎である。 本研究では、高速原子間力顕微鏡(HS-AFM)を用い、感染性プリオンの立体構造を明らかにし、タンパク質のどこに感染性があるか、を明らかにする。さらに、立体構造変換過程の解析から、感染性構造への変換の初期過程がどこからどのように始まるのか、を明らかにする。異常構造の分子全体像を空間分解及び時間分解の両面から捉えることにより、感染性構造とは何か?という問いに答える。
|
研究成果の概要 |
高速原子間力顕微鏡を用い、プリオンの異常化過程を、リアルタイムかつ単分子立体形状レベルで解析した。まず正常型プリオンの立体構造が、ユニークではなく、オリゴマーを含むことを明らかにした。また、プリオン蛋白質が、αシヌクレインと相互作用し、安定な二量体を形成することが明らかとなった。このことは、αシヌクレインが、プリオン蛋白質の異常化を抑制する可能性を示している。また、プリオン蛋白質を、PMCA法を用い、プリオンの異常化を進めたところ、モノマーからオリゴマーに至る多彩な構造を示し、明確な感染性のある異常型構造においても、その構造は必ずしもユニークではなく、その形状が分布している可能性を示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プリオンが発見されてから、40年経つが、プリオンの感染性構造は、未だに明らかにされていない。それはプリオンは水に溶けない、結晶化できないなど、これまでのタンパク質の構造解析では取り扱えないという方法論的な問題のためである、と考えられて来た。そこで我々は、分子一つ一つを直接、しかも水和した自然な状態で観測できる原子間力顕微鏡を用いて、プリオンの構造解析に挑戦した。その結果、プリオンは正常構造も異常構造も、モノマーからヘキサマーにまで分布していることが分かった。また、αシヌクレインなどの他のタンパク質と相互作用することにより、安定なヘテロダイマー構造を撮ることが明らかとなった。
|