研究課題/領域番号 |
19H03477
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩崎 正治 大阪大学, 微生物病研究所, 特任准教授(常勤) (90820788)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 翻訳制御 / アレナウイルス / 遺伝子発現 / 非翻訳領域 / ウイルスベクター / マイナス鎖RNAウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)を用いた実験で、ウイルスゲノムの遺伝子間領域(IGR)に由来するウイルスmRNAの3'-UTR配列が翻訳効率を制御することを見出し、ラッサウイルスを含むいかなるアレナウイルスにも応用可能なIGR改変型弱毒生ワクチン作製法を開発した。本研究ではIGR配列による翻訳効率制御の分子メカニズム解明のため、ウイルス因子と宿主因子の双方の関わりを解析する。さらに得られた知見を基にして、搭載遺伝子発現量を自由自在にコントロールできるLCMVベクター開発への応用に挑む。
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研究成果の概要 |
アレナウイルスのmRNA(vmRNA)は5′末端にcap構造を持つが、3′末端はポリA付加を受けない特徴がある。人工的に合成したvmRNA様RNAを用いたレポーターアッセイにより、1) vmRNA 3′-UTRのORF直下のごく一部の領域(proximal region, PR)及びその部分のRNA2次構造が翻訳に重要な役割を果たすこと、2) vmRNAの翻訳はウイルスタンパク質非依存的かつ細胞mRNAの翻訳に必要なポリA結合タンパク質(PABP)非依存的であることを明らかにした。さらに、3) 組換えLCMVを用いて、PR配列に変異を加えることで外来遺伝子の発現量を制御できることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ラッサ熱を引き起こすラッサウイルスの様に、アレナウイルス科にはヒトに重篤なウイルス性出血熱症を引き起こす、公衆衛生上重要な病原体が複数含まれる。本研究ではアレナウイルスのmRNAに特徴的な、ポリA付加を受けない3′-UTR配列の翻訳制御おける役割を明らかにした。今後さらに詳細に解析を進めることで、翻訳効率の調節により、弱毒化の程度を制御可能なラッサウイルス弱毒生ワクチンの開発や、外来遺伝子の発現量を自由自在に制御できる新規ウイルスベクター開発への応用が期待される。
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