研究課題
基盤研究(B)
自然免疫はウイルス感染に対する生体防御に必須の役割を果たす。しかし、その分子機構は十分に解明されていない。この分子機構を解明することは、感染症に対する治療薬開発の新たな分子標的の同定に繋がるため、非常に重要である。本研究では、申請者らが独自に発見したZNF598やLupleなどの分子に着目し、その分子機構を解明することで、ウイルス感染に対する自然免疫応答の新たな分子メカニズムを解明し、そこから、感染症の新たな治療薬開発に繋がる基礎データを収集する。
自然免疫はウイルス感染初期の生体防御に必須であり、一方でその過剰な活性化は自己免疫疾患やサイトカインストームなどの原因となる。我々はウイルス感染初期の自然免疫の分子機構について研究を進め、ウイルス感染時の過剰なサイトカイン産生を抑制する因子としてZNF598分子を新たに同定し、その分子メカニズムを解明した。ヒトの血液中に存在する細胞外小胞内のmicroRNAと免疫応答との関連としてmiR-451aやmiR-192がウイルス感染時のサイトカイン産生やワクチン接種後のサイトカイン産生を制御することを明らかとした。さらに、SARS-CoV-2に対する自然免疫の分子機構について研究を実施した。
新型コロナウイルス感染症のように、ウイルスが原因となる感染症はその解決が求められている。その解決として、ワクチンや治療薬の開発が求められている。本研究ではウイルス感染に対する自然免疫の分子機構について研究を進め、新たなメカニズムを解明し、これらに関与する新たな因子としてのタンパク質やmicroRNAを複数同定した。本研究で解明した新たな分子メカニズムは、今後、ウイルス感染症に対する新たなワクチンの開発や、新たな治療薬の開発、さらに、新たな治療法の開発の重要な基礎基盤になると期待される。
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