研究課題/領域番号 |
19H03482
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
岩谷 靖雅 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, 部長 (90303403)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 抗ウイルス作用 / レトロウイルス / APOBEC3H / 核酸 / 構造 / 遺伝多型 / 逆転写 / 細胞内局在 / 二本鎖RNA |
研究開始時の研究の概要 |
APOBEC3ファミリータンパク質による抗ウイルス分子機序は明らかになりつつあるが, 唯一APOBEC3Hの作用機序と細胞内制御機序の解明は大幅に遅れている。最近, 申請者らは, APOBEC3Hの分子構造を決定し, これまでの定説を覆す新たなAPOBEC3H-核酸結合様式について報告した。本研究では, この独自の新知見を生かし, APOBEC3Hによる抗レトロウイルス作用および細胞内制御の分子機序を明らかにすることを目的として本研究を行う。そして, APOBEC3ファミリーによる生体防御機構の更なる理解と, それらを活用した新たな治療戦略の創製につながる分子基盤を創出する。
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研究成果の概要 |
レトロウイルスに対して抗ウイルス作用をもつシチジン脱アミノ化酵素APOBEC3Hの抗レトロウイルス作用と細胞内での制御機序を明らかにするために本研究を行った。二本鎖RNA領域に結合し二量体を形成をするユニークな特徴を有するAPOBEC3Hの特徴が、抗ウイルス作用や細胞内での局在・分解の制御の要となっていたことが明らかとなった。遺伝多型や変異によってRNAへの結合が欠失したAPOBEC3Hはユビキチン・プロテアソーム系により分解されることも明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
APOBEC3HはHIVなどのレトロウイルス感染の抵抗性に関わる抗ウイルス因子であり、その効果には遺伝多型による人種差があることが知られている。本研究成果は、遺伝多型がどのような機序で効果に差が生じるのかを理解する知見となる。そのため、HIVなどのレトロウイルスの世界的な感染伝播の方向性などの理解につながる基盤となる。さらに、本研究成果は、宿主ゲノムの損傷機序にも関連していたため、癌研究分野などにも波及する重要な知見であると考えられる。
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