研究課題/領域番号 |
19H03487
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮崎 正輝 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 准教授 (80403632)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 獲得免疫 / Rag1 Rag2 / T, B細胞 / 遺伝子再構成 / エンハンサー / ゲノム構造 / 転写因子 / E2A / adaptive lymphocyte / T cell and B cell / Rag1 and Rag2 expression / enhancer regulation / super-enhancer formation / V(D)J DNA recombination / 獲得免疫リンパ球 / Rag遺伝子 / 3次元ゲノム構造変換 / 転写因子E2A / 3次元ゲノム構造 / 獲得免疫リンパ球分化 / Rag1/Rag2遺伝子発現制御 / 3Dゲノム構造制御 / T細胞分化 / B細胞分化 / Rag1/Rag2遺伝子 / Regulame / リンパ球分化 / エンハンサー調節 / 3Dゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
感染に対する生体防御機構である免疫反応は、獲得免疫と自然免疫細胞の協調により成立する。獲得免疫はT,B細胞による抗原特異的な炎症反応に依存し、これは遺伝子再構成による抗原受容体分子の形成が必須である。言い換えれば、遺伝子再構成分子の発現が獲得免疫を特徴付けていると言える。Rag1/Rag2は遺伝子再構成に必須の分子であり、T,B細胞の分化段階でのみ発現する特殊な遺伝子である。本研究課題では、この特異的な遺伝子の発現調節を、エンハンサー領域の3Dゲノム構造による変化を軸に解析を試みる、非常に独創的な研究である。
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研究成果の概要 |
獲得免疫は、B細胞の抗体とT細胞のT細胞受容体のV(D)J遺伝子再構成に依存する。この遺伝子再構成はRag1/2 により行われるが、その発現制御は未解明である。 T前駆細胞とB前駆細胞でのE2Aを主体とした特異的な転写因子群のChIP-seq解析、ATAC-seq解析の結果から、T細胞特異的(R-TEn)またはB細胞特異的(R1BとR2B)なエンハンサー領域を見出した。欠損マウスの解析から、T, B細胞特異的なRagエンハンサー制御が重要であることがわかった。さらにそのエンハンサー活性は転写因子E2Aによる3次元ゲノム構造制御、スーパーエンハンサー形成に依存していることがわかり、報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
T細胞受容体やB細胞の抗体の遺伝子再構成は、獲得免疫による多様で特異的な免疫反応に必須であり、この再構成を行うRag1/2の発現制御機構を解明することは、獲得免疫の本質をどうやって手に入れたのかを解明する重要な鍵となる。本研究ではT, B細胞におけるRag1/2遺伝子のエンハンサー領域を同定し、その領域が転写因子E2Aによるエンハンサー活性制御に依存していることを見出した。このことは、獲得免疫の特徴であるRag1/2発現が特定の転写因子により誘導され、これがVDJ遺伝子再構成という多様性獲得に大きく貢献しており、この分子機構が獲得免疫の始まりであると提唱したい。
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