研究課題
基盤研究(B)
BRCA変異陽性乳がんのPARP阻害剤による合成致死療法では、PARP阻害剤耐性獲得が問題となっている。そこで、DNA2本鎖切断の相同組換え修復機能(HR)の抑制による耐性克服療法を開発し、その一般乳がんへの展開を目的とする。頻度の高い耐性獲得機序に、BRCA変異細胞におけるHR機能の回復がある。そこで、HR関連分子を抑制、再度、HRを低下させ、感受性を回復させる。この治療法は、耐性獲得症例のみならず、最初からHRが維持されPARP阻害剤無効な多くの乳がんにも有効な可能性があり、この相同組換え修復機能を標的とした新規合成致死療法の開発は、がん治療に大きく貢献することが期待される。
BRCA変異陽性乳がんのPARP阻害剤による合成致死療法では、PARP阻害剤耐性獲得が問題である。そこで、DNA2本鎖切断の相同組み換え(HR)修復機能を抑制し、PARP阻害剤感受性を回復させる耐性克服療法の開発を目的とする。ここで、重要な課題は、HR修復能の阻害法開発である。本研究では、BRCA2はKPNA7との相互作用により核へ移行し、また、KPNA7の阻害により、BRCA2の核移行及び核内のHR修復を阻止することを見出した。さらに、機能既知化合物ライブラリーを用いたKPNA7阻害化合物のスクリーニングにより、KPNA7阻害薬剤としてMG-1とMG-2(仮称)を見出した。
BRCA変異陽性乳がんのPARP阻害剤による合成致死療法が開始されたが、PARP阻害剤耐性獲得が問題となっている。そこで、この耐性克服療法の開発を目的に、BRCA2の輸送経路情報を基盤にした戦略による阻害候補分子、及び化合物ライブラリースクリーニングによる阻害化合物の同定は、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)患者に対する有効な治療法開発に繋がり、医学的意義は大きい。また、最初からHR機能が維持されPARP阻害剤のみでは無効な多くの乳がんにも有効である可能性があり、本研究成果は新規乳がん治療法の開発に繋がり、がん医療に大きく貢献することが期待され、医学的・社会的貢献度も高い。
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